スマートフォン版へ

【ローズS・セントライト記念予想】新コーナーもスタート! GIを見据える有力馬たちの調教内容は?

  • 2024年09月11日(水) 18時00分

クイーンズウォークはオークスと同じ仕上げか


 先週は秋競馬の開幕。その最初の重賞、紫苑Sは◎クリスマスパレードでクリーンヒットを飛ばすことができましたが、セントウルSは皆目見当違い。京成杯AHはあとちょっとで○◎だったところを△打つか悩んで無印にしてしまった単勝14番人気に割り込まれてジ・エンド。こんな風に一喜一憂することも多いと思いますが、せめて毎週「一喜」はできるように努めますので、どうぞよろしくお願いします。

 そして、今週から「次走要注意」のコーナーを「注目の新馬戦」という新コーナーに変更させていただきました。先週もここで紹介した『将来有望調教』。これに該当した馬が複数出走していると新馬戦のレベルが高い、ということはウマい馬券でもよく記していることですが、そういった観点から次走狙える馬を勝ち馬に限らず紹介したいと思います。次走要注意同様、netkeibaのお気に入り馬に登録するなどして、馬券検討にお役立てください。

【ローズS/クイーンズウォーク】

 クイーンC以来だった桜花賞は8着という結果。最終追い切りが坂路だったクイーンCとは違い、CWでの最終追いがどうかと思っていましたが、オークスの最終追い坂路での4着という結果を考えると、1週前追い切りはCWで最終追いは坂路というのがベストに思えます。

 今回もオークスと同じパターンで1週前追い切りはCW。併せ馬を先着する素晴らしい内容でしたが、最終追い切りが坂路も同じ。4F55秒台というところまで踏襲していて、この距離ならオークスと同じ仕上げということでしょう。もちろん、次走を見据えた上での内容にもなっているでしょうが、これである程度結果を出したいといったところです。

調教Gメン研究所

オークスと同じパターンで追い切りを消化したクイーンズウォーク(9月3日撮影)


【ローズS/タガノエルピーダ】

 坂路オンリーだった追い切りをCW中心に切り替えたのが忘れな草賞。忘れな草賞は坂路での追い切りがなく、CWオンリーでした。オークスは週中CW、週末坂路の併用調教でしたが、レースは残念ながらという結果になっています。

 ただ、当時のCWは6Fで速い時計を出していません。対して今回は6F81秒台、82秒台、83秒台としっかり時計を出してきました。その結果、最終追い切りのCWでの3頭併せはスピードに力強さが加わった弾むような走り。道中はきれいな加速ラップ、ラスト1Fが最速ラップという素晴らしい走り。前走惨敗を払拭するにふさわしい調教内容です。

調教Gメン研究所

ラスト1Fを最速ラップで終えたタガノエルピーダ(9月10日撮影)


【ローズS/フレミングフープ】

 レース間隔のあいたローテーションで好走して、間隔が詰まると凡走するという成績。前走中7週は間隔あいたローテと判定していますが、今回の中3週は2歳未勝利で9着だった時と同じになります。

 前走から追い切りパターンがCWオンリーとなっていますが、それは今回も同じ。もう少し突き詰めると、前走はゲートから時計を出した追い切りもあったので、本当のCWだけは今回が初めてになります。1週前追い切りのCWで6F79.6秒と速い時計をマークして、最終追い切りはCW6F86.7秒。緩急をつけた追い切りになりましたが、最終追いのラスト1Fは本当に素晴らしい躍動感でした。あとはレース間隔だけです。

調教Gメン研究所

最終追いは素晴らしい躍動感だったフレミングフープ(写真奥、9月5日撮影)


【セントライト記念/エコロヴァルツ】

 朝日杯FS2着の結果を考えると、共同通信杯、皐月賞、日本ダービーはもうひとつ物足りない結果になった印象もありました。皐月賞やダービーに関しては、1週前追い切りも最終追い切りも単走だったこと、これは物足りなさの残る内容だというのが、当時の個人的な判定です。

 そういった意味で1週前追いがCWで併せ馬を課してきたことは魅力。6F81.6秒と時計の速い負荷をかけていますから、あとは最終追いがどんな内容になるか。原稿を書いている時点では想像でしかありませんが、坂路での最終追いなら単走だったとしてもせめて2F時計が速ければといったところです。

調教Gメン研究所

1週前に時計の速い負荷をかけたエコロヴァルツ(9月10日撮影)


【セントライト記念/アスクカムオンモア】

 未勝利を勝ったばかりでチャレンジしたプリンシパルSは3着。ダービーへの出走権は獲得できませんでしたが、その次の1勝クラスできっちり勝ち切ったレース内容を見ても、条件戦でとどまるようなタイプではないことが明らか。ただ、今回は初めての中山で重賞となるので、そこはひとつの壁になるはず。

 1週前のCW追い切りには戸崎圭太騎手が栗東へ駆け付けています。3頭併せでしたが、古馬2勝クラスと古馬3勝クラスを相手にきっちり最先着。ラスト1F11.2秒の動きは素晴らしかったと思います。ほとんどの追い切りで併せ馬を消化している内容は前走とほぼ同じですし、休み明けだからといって緩さのある内容ではありません。

◆注目の新馬戦

・9/8 【キタサンハナビラ】(3人/2着) 将来有望調教該当<3頭>

 本馬はCWの将来有望調教に該当。勝ち馬ゲルチュタールはもちろん将来有望調教該当馬でした。1馬身差まで詰めたところはさすがでしたし、3着馬には2馬身の差をつけています。最終追い切りのCWでの併せ馬は遅れていたように、まだ追い切りの伸びしろがある状態でこの結果なら、同じような距離条件で次を走れば、あっさりと勝ち上がるでしょう。

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝2000m>
◎最終追い切り坂路馬場4F目最速ラップ
◎1週前追い切り以降坂路馬場2F目13.5秒以下、3F目以降12.9秒以下
○追い切り本数標準以上併用系統の調教タイプ

 中京芝2000mで行われたローズSが2020年、2021年、2022年と3年続いています。勝ち馬の調教タイプが馬ナリ平均併用、馬ナリ平均坂路主体、馬ナリ平均併用ですから、すべて○に該当していました。今年は連続開催ということもあるので、馬ナリ平均系統の軽いスピードではないかも知れませんが、併用系統が重要になることは間違いありません。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング