カレンチャンは「ロケットマンを出させない好騎乗」中山コースで生きた枠

──短距離王国を築いた安田元調教師による春の高松宮記念展望コラムは大好評でした。ぜひ秋も分析をお願いしたいのですが、まずは高松宮記念の振り返りから。雨が降り、重馬場での決戦となりました。

安田　馬場が相当悪かったと思います。マッドクールはしてやったりでしたね。コーナーでは内側の芝が掘れちゃうけど、直線は真っ直ぐ走る分、そんなにボコボコにはなりません。もちろん内よりも馬場の真ん中の方が綺麗だとは思うけど、インがひどくボコボコにならない限りはあんまり変わらないと思います。

──坂井瑠星騎手の好騎乗が光りましたね。2着ナムラクレアはその直後を走ってゴール前で外に出しての追い比べ、3着ビクターザウィナー(香港)は馬場の真ん中を走っての結果でした。

安田　ナムラクレアもいい脚で来ていましたね。ビクターザウィナーはホームの香港だと本当に強いですが、アウェイの分じゃないですかね。4コーナーでは勝ち馬より前にいましたけど、外に出して3馬身離されているのでどうだったのかな、と思います。

──今回は中山芝1200mに舞台が変わります。コースの特徴は？

安田　スタートから緩やかなカーブが続きます。ロードカナロアが初めて勝った時は大外枠で、連覇をした時は5枠10番。カレンチャンが勝った時も5枠10番と、やや外目の枠でした。カレンチャンの時は香港からロケットマンっていうすごい馬が来ていて、パドックで見ても筋肉がすごかったです。

「えー、こんな馬と一緒に走るの？」というくらいのすごい馬体だったんですけど、池添謙一騎手が直線でロケットマンを出させずに外から被せてね。彼の好騎乗で勝つことができました。内枠だとそういうことはできないですし、先手を取れないと難しいので、このコースは外目の枠の方がレースをしやすいと思います。

──2頭とも安田厩舎を代表する短距離馬ですごく強かったです。短距離馬の調教というと、坂路で好時計を出す印象がありますが、調教を見るポイントは？