障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、一昨年の夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く連載コラム。
日常生活を無事に送ることができるようになった雄造騎手ですが、相手に話を合わせることが難しく、時折急に怒りだしてしまうことも…。由紀子さんが、「将来の課題」を感じた“2つのエピソード”とは?
自分が話したいことを話しているだけで、会話にならない…
念願の伊勢旅行に出かけた白浜家でしたが、はたして夫は気分転換になったのか…。なんともいえない1泊2日になりました。
また、別の日にはこんな事も。
娘の運動会に行った帰り、子供たちと保護者のみんなで公園に遊びに行ったのですが、この日一緒に遊んだお友達のご両親のなかには、夫の職業やケガのことをご存じない方もいました。
話をするうちにそれぞれの実家の話になり、ママ友は夫に「長崎のご出身なら、帰省が大変ですね」と話しかけてくれました。夫は、「結婚してから実家に帰ったことはないけど、帰るなら小倉で乗ったときに帰ろうと思っているから、そこまで大変ではないですね」と答えたのですが、夫の職業を知らないママ友は話の意味がわからずに混乱している様子…。私が説明をしたところ、「JRAさんということは、滋賀医大から先生行ってますよね。私、滋賀医大で看護師をしているんです」と話を続けてくれました。
すると夫は、「先生と言えば、僕にとっては調教師の先生方。師匠の浅見先生、お世話になったのは佐々木先生や、庄野先生」と言い出し、ママ友を再び混乱させる始末(笑)。競馬を知らない人に“調教師”と言っても話は伝わりませんし、そもそも自分が話したいことを話しているだけで、会話になっていません。
私はママ友に解説するのが面倒で、「もう先に帰ってくれよ」と思いながらも、この日は井崎脩五郎さんばりに解説を続けたのでした。
どうやら夫は、物事を自分中心にしか捉えられない、そして相手の状況を加味してコミュニケーションを取るのが難しそうだなと感じました。
ある日、吉田さんとのウォーキングから帰宅した夫から、こんな報告が。