こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、京都競馬場で行われる秋華賞(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
オークス上位馬には能力的にも適性的にもケチが付けづらい
秋華賞の行われる京都芝2000mは、コース形態的にはスタートしてから1コーナーまでの距離も標準的で、特別ペースが流れやすいコースではない。
しかし、3歳牝馬限定戦でマイル以下の距離で勝ち上がってきた馬が多く出走することから、秋華賞の過去のレースを見ると京都2000mで行われた26回中のうち21回が前半1000m60秒切りのペース。その上内回りコースは残り1000m手前から上りに入ってそこで隊列が詰まりやすいので、結果的に先行馬は位置取りによるマージンを作りにくく差し馬有利になる。
ペースも流れやすいうえ内回りコースなので上がりもそんなに速くなりにくく、良馬場でも35秒台前半がスタンダードでトップスピードはそれほど求められない舞台。いわゆる主流条件ど真ん中ではないが、そもそも二冠目のオークスが3歳牝馬にとってはかなりタフな舞台であり、そこで好走している馬は能力が高いのはもちろん、上がりが掛かる競馬への適性も持っていることが殆ど。
ということは結局オークスの上位馬は能力的にも適性的にもケチが付けづらいという事で、オークスの着順別に成績を調べてみると5着まですべて買っても複勝回収率100%に近い。6着以下には全く人気が無い馬も含まれるが、ある程度勝負になるオッズ帯(単勝40倍以内)に絞っても複勝回収率71%と良くない。
このことから基本的には春の序列は覆りにくいと考えるべきだろうし、オークスで見せ場を作れなかったコガネノソラが次走いきなりクイーンSを勝利して3歳牝馬路線のレベルの高さを証明している今年は尚のこと。
今回のメンバーを見ると、オークス5着以内からライトバックを除いた4頭が出走。便宜上キリが良いところで分けただけで5着以内という数字自体には何の意味もないが、今年は6着スウィープフィートまで0.2秒、7着以降はさらに0.2秒離れたことを考えれば5頭とそれ以下には差があったと考えられ、この理論がそのまま使えそうだ。