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仕上がり早で大物感あり、メイショウポジリポ

  • 2006年07月11日(火) 23時52分
メイショウポジリポ(牡 栗東・白井寿昭 父アグネスタキオン、母シャルナ)
 「アグネスタキオン×Darshaan」という組み合わせ。父アグネスタキオンはコンスタントに勝ち馬を送り出すものの、1勝目を挙げた馬がなかなか2勝目を挙げられないため、成長力や底力に欠けるのではといわれたが、ロジックがNHKマイルC(GI)を勝って批判を封じた。本馬は母の父がヨーロッパのステイヤー血統Darshaan。タキオン産駒は母系に重厚なスタミナを持つものが良績を残しているので、配合的に評価できる。半兄モエレジーニアス(父フサイチコンコルド)は昨年の函館2歳S(GIII)の勝ち馬。仕上がりも早いはずだ。

シャペロンルージュ(牝 美浦・的場均 父サクラバクシンオー、母プリンセスマリー)
 「サクラバクシンオー×ラムタラ」という組み合わせ。母の父ラムタラといえば先日、日本での種付け生活にピリオドを打ち、イギリスに売却されるというニュースが流れたばかり。種牡馬として失敗した最大原因は「スピードがない」こと。しかし、だからこそ、サクラバクシンオーのような強力なスピード種牡馬とフィットするという推理も成り立つ。ラムタラの父Nijinskyはサクラバクシンオーと相性がよく、この2つの血の組み合わせからシーイズトウショウ、ショウナンカンプなど多数の活躍馬が出ている。母系に重厚さを備えたバクシンオー産駒は出世する傾向があるので、本馬はおもしろい。

シルクキャニオン(牡 栗東・作田誠二 父マリエンバード、母ダイアモンドバレー)
 「マリエンバード×Saint Cyrien」という組み合わせ。父マリエンバードはカーリアン産駒のステイヤーで、現役時代に凱旋門賞など3つのG1を制した。凱旋門賞を勝った際は8番人気と評価が低かったが、勝ちっぷり、タイム、負かした相手と、いずれにおいても文句のつけようがなかった。今年の2歳が初年度産駒。母ダイアモンドバレーはすでにヒマラヤンブルー(03年函館記念-GIII・2着、03年朝日チャレンジC-GIII・3着)を送り出している。堂々たるステイヤー配合で、完成は早くないだろうが、配合構成は優れており、先々必ず走ってきそう。

ドーントレダー(牡 栗東・角居勝彦 父ブライアンズタイム、母パレイシャルアフェア)
 「ブライアンズタイム×Kingmambo」という組み合わせ。母パレイシャルアフェアの半妹にはサンタアニタオークス(米G1・ダ8.5f)を勝ったComposureがおり、2代母Party CitedはアメリカでG3を勝っている。本馬の全兄ゲットマイウェイは芝の中長距離タイプで、現在は1000万下のトップクラスとして頑張っている。母系にBlushing Groomを抱えるブライアンズタイム産駒といえば年度代表馬マヤノトップガンと同じ。全体的にやや重厚すぎるきらいはあるが、底力は満点で、ハマれば大仕事をやってのける可能性はある。

ベルモントエアロ(牡 美浦・小西一男 父アフリート、母ミスダンジグ)
 アフリート産駒は、母系にNijinskyを持つパターンが最も成功しているが、Danzigを持つパターンもゴールデンジャック(94年オークス-GI・2着ほか重賞2勝)、スターリングローズ(02年JBCスプリント-GIなど重賞6勝)の姉弟などが出ており成功している。本馬はベルモントサンダー(現1000万下)の全弟。仕上がりが早くダートの短距離に強い。クラシック向きとはいえないが確実に稼げるタイプなのでPOG向きといえるだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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