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【菊花賞予想】ミオスタチン遺伝子で距離適性を解明──「名手と相性ピッタリ」2桁人気大穴ステイヤーを本命に推奨

  • 2024年10月18日(金) 18時02分
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▲ダービー馬ダノンデサイルらの距離適性は?(撮影:下野雄規)


競馬アナライザーのMahmoud氏が、動画解析を駆使して科学的に競馬を分析する連載コラム。

今週は、秋華賞の回顧と菊花賞の分析をお届け。菊花賞のポイントとなる3000mという未知の距離について、ミオスタチン遺伝子や個別ラップタイムから見えてくる出走馬の適性を徹底考察。

菊花賞好走の条件となる「200m平均12.4秒の壁」とは何か? さらに、個別ラップタイムから測れる「スタミナ力」とは──。

そして、本命に推すのは想定14番人気の超大穴馬! その推奨理由に迫ります。

(構成:Mahmoud、netkeiba編集部)

秋華賞回顧 チェルヴィニアの個別ラップから勝因を分析


──先週の秋華賞では1番人気チェルヴィニアが勝利し、オークスとの二冠を達成しました。まずは秋華賞の回顧からまいりましょう。

Mahmoud 前回同様、今回の秋華賞の結果を反映させた走破タイム順TOP30を掲載します。過去走は秋華賞の馬場差基準に合わせました。

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▲先週掲載した「走破タイム変換データ」に秋華賞の結果を加え、実際の走破タイムに合わせてタイムを補正(作成:Mahmoud)


 12着のアドマイヤベルまでがキャリアハイの走りを見せました。オークス以来の出走となるチェルヴィニアは、オークスから換算値で0.87秒、ステレンボッシュも0.56秒時計を詰めており、成長が見られる走りでした。ボンドガール以外の紫苑S組も前走以上の走りを見せましたが、春時点でのチェルヴィニア、ステレンボッシュとの差を詰めるには至りませんでした。

──オークス時点での上位2頭は直行ローテでしたが、休養期間のトレーニングを経て十分に成長していたということですね。2頭の間に割って入ったボンドガールは、夏場にもレースを使われていた馬で、紫苑Sからさらに大きくパフォーマンスを上げてきましたね。

Mahmoud ボンドガールが成長したのは確かですが、快走した新馬戦での躍動感が戻ってきたとも言えます。

──後半1000mの個別ラップタイムでは、チェルヴィニアと並んで最速タイの57.0秒。展開としては差し有利だったのでしょうか?

Mahmoud 後方勢が先行馬との差を詰めるためラスト1000〜600mのラップタイムが速くなるのは当然でもある一方、馬群の先頭だった3番手タガノエルピーダのラスト1000〜600mのラップタイムが速いのが特徴的です。

 早い段階から馬群全体のペースアップが著しく、後半は非常にタフな流れとなり、能力の高い馬が順当に上位を占める展開となりました。

──先週の当コラムでは「(出走馬の中で)最も大きなスケール感を抱いているものの、京都内回り芝2000mを器用に走れるタイプではない」として△評価に留めたチェルヴィニアですが、勝因はどこでしょうか?

Mahmoud チェルヴィニアは前半1000mを60.1秒と余裕を持った入りでした。ラスト1200mの平均完歩ピッチをオークスと比較してみます。

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▲秋華賞(白)とオークス(黄)の平均完歩ピッチグラフ(1完歩に要する時間を平均した値。グラフの値が下になるほど、ピッチ=脚の回転が速いことを表す)。(作成:Mahmoud)


 秋華賞では、4コーナー(ラスト400m)までグンとピッチを速めることなく追走。トビの大きいチェルヴィニアが3〜4コーナーでさほど加速せず走れたのが大きなポイントです。

 ラスト1200mの個別ラップタイムは11.70-11.70-11.20-11.35-11.35-11.40。ラスト1000〜800m区間からラスト800〜600m区間にかけて0.5秒速くなっていますが、前者は坂の上り、後者は坂の下りを含む区間です。実質的なペースアップは0.5秒より少ないです。

──C.ルメール騎手の技術が光る、馬に合わせた仕掛けのタイミングですね。◎に推していたミアネーロは3着からコンマ2秒差の6着でした。

Mahmoud ミアネーロは今回も4コーナー(ラスト400m)まで7完歩ほど逆手前で走行。ここがスムーズであればもう少し前に行けた可能性はありますが、3着まではさすがに難しかったでしょう。結局、秋華賞でもクリスマスパレードを捉えられず、他馬と似たような上積みレベルに終わりました。手応えは悪くなかったものの、脚は溜まらず。今後は追走力の向上に期待したいです。

「距離適性」の大前提とは──ミオスタチン遺伝子を用いて解明


──それでは菊花賞の分析に移りましょう。日本ダービーから600mの距離延長となる3000mという距離はやはりポイントですよね。

Mahmoud 日本レコードタイムに基づくと、皐月賞は200m平均のラップタイムが11.52秒、日本ダービーは11.72秒、菊花賞は12.07秒の戦い。それだけ遅いスピードで長く走って勝負するレースが菊花賞です。

──距離延長に対応できる馬はどの馬か? というのが毎年のテーマですね。「距離適性」についてはどのように考えるのがよいのでしょうか。

Mahmoud 以前から話題に挙げていたミオスタチン遺伝子の型とともに、距離適性について日本レコードタイムに対する200m平均のラップタイムで表してみました。

 芝1200mがベストとなるミオスタチン遺伝子CC型、芝2000mがベストのCT型、芝2800mがベストのTT型を架空モデルとし、それぞれがベスト距離では日本レコードで走る力があると設定しました。すると次のようなグラフが描けます

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動画解析から個別ラップタイムや完歩ピッチを計測し、競馬を理論的に解明する唯一無二の競馬アナライザー。過去には競馬雑誌サラブレなどで活動。「Mahmoudの競走馬研究室」でしか見られない独自の理論をお楽しみください。

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