こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、京都競馬場で行われるエリザベス女王杯(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
傾向的に重視したい4歳馬
エリザベス女王杯の行われる京都2200mコースはスタートしてから1コーナーまでの距離は400m程と標準的な距離。ただ牝馬にとっては長距離にカテゴライズされる距離で無理をしない陣営も多く基本ペースは緩みやすい。そこから道中は動きが少なく、京都外回りコースらしく3〜4コーナーの坂の下りからペースが上がっての3〜4F戦になることが殆ど。
改修初年度の昨年も前2頭が離していたが、3番手以下は1000m通過が62秒程の流れで3番手のハーパーが3着に雪崩れ込んできたように比較的前が有利になりやすいレースといえる。
今年のメンバーを見ると、コスタボニータ・シンリョクカ・スタニングローズ辺りも先行したいだろうが、絶対に揉まれたくないコンクシェルがハナを主張していく展開になりそう。
ただ今年は1番人気を背負うだろうレガレイラがどうしてもポジションを取れないタイプで、チャンスを狙いに行く人馬の前への意識が強くなりそうなのは引っ掛かる。特にコンクシェルがどの枠に入るかは展開を左右しそうなので注目したい。
春のGIヴィクトリアマイルではテンハッピーローズが大穴をあけて勝利したが、2着フィアスプライドと共に2頭だけ出走していた6歳馬がワンツーを決めていたのは見逃せないポイントだった。牝馬は大手牧場系クラブ法人では6歳3月に定年が設けられているように、繁殖入りの関係上牡馬よりも新陳代謝のサイクルが速いので、そんな中で4・5歳を差し置いて6歳馬がワンツーというのは違和感がある。
その点からもエリザベス女王杯では3歳馬を狙おうと春から考えていたわけだが、登録しているのはレガレイラ1頭だけ。当然1番人気が確実だし、その構想は無念にも霧散した。
そして残りは全て4・5歳馬なわけだが、どちらを重視するべきかと考えると傾向的には4歳馬。
牡馬に比べてサイクルが速いというのは先程も書いたが、5歳の冬場ともなると落ち目に入っていることも少なくない。逆に4歳馬はまだぎりぎり成長がある時期なので、上が下降していくのと合わさって4歳後半からは好成績となっている。
では前走初重賞で好走したシンティレーションが落ち目なのかと言われたらそんな訳はないし、成長曲線は個々の馬によるのであくまで参考程度に考えた方がいいとは思うが、頭の片隅に入れておいても損はないだろう。