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【#75】「一歩進んで二歩下がる」──厳しい現実に嫌気がさす夫が抱える“苦しみ”

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  • 2024年11月11日(月) 18時01分
障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、一昨年の夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く連載コラム。

競馬場への臨場を機にリハビリのモチベーションが上がったものの、再び渋るようになってしまった雄造騎手。

イレギュラーな出来事に対応したり、医師から新たな提案を受けるなど、回復が進んでいるように見えますが喜ぶ様子は見られず…。夫も鬼嫁も現状に悩む日々が続きます。


バスの中にスマホを忘れるハプニングも…


 落馬以降、夫は何事に対してもすべて自分の都合のいいように考え、そして思い込み、都合の悪いことはすべて他責にすることが数多くありました。

 たとえば、「乗馬に乗れない自分が悪いのではなく、競走馬に乗る許可を出してくれない医師が悪い!」といった具合に…。何事もこのような感じだったので、日々の生活には不満だらけのようでした。

 熊沢さんの引退式で競馬場に行くことが決まってからというもの、モチベーションを高く保ったままリハビリに取り組んでいた夫ですが、復帰がまったく見えてこない状況に早々に嫌気がさし、また箱番や乗馬苑に行き渋るようになりました。

※箱番・・・馬が障害を練習するために箱や棒を騎手の指示に従って馬場に置く作業。練習中の馬が障害を蹴ってしまったときなどは元の場所に設置し直す。

 自ら「行きたい」と言い、そのために周りが時間を割いて協力してくれている。だから、自分の発言に最低限責任を持つように──。以前にもした説明をいろいろな例を出して何度もしたのですが、時に怒りに任せて暴れてしまったり、一度理解ができても、数日すると記憶から消えてしまったり。そして、箱番や乗馬に行き渋る。数カ月前と同じ状況の繰り返しです。なにひとつ前進しない状況に、私は頭を抱えていました。

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1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

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