【マイルCS予想】外国馬の通算成績(0-0-2-9) 苦戦傾向をチャリンは覆せるか
ビッグネームの来日が少なかった点も成績低迷の要因
これまでマイルCSに出走した外国馬は、延べ11頭(欧州調教馬9頭、北米2頭)。
通算成績[0-0-2-9]。3年連続出走した牝馬サプレザ(仏)が「3、4、3」着に健闘しただけで、ほかに善戦馬はいない。理由は日本の高速の芝に対応できなかったことに加え、G1を複数制しているようなビッグネームが少なかったことだ。
ただ、サプレザはG1通算3勝馬で、輸入されて2020年の毎日杯を勝ったサトノインプレッサの母となり、2022年の京成杯を制したオニャンコポンの祖母になっている。
今年の芦毛の外国馬チャリン(英、父ダークエンジェル)は、4歳の今年G1を3勝。かつてタイキシャトルが1分37秒4で制したジャックルマロワ賞(仏)では、60キロを背負い1分33秒98で3馬身差の独走だった。前走の重馬場の伝統の英G1(英アスコット競馬場)では、再び60キロで1分45秒98。にわかには信じがたいパワー勝負を2馬身差で勝っている。
今年の欧州のマイル路線のチャンピオン格であり、これまでの欧州馬よりランクは断然上。さすがに高速レースでは過信できないが、京都の芝は少しタフになっているうえ、土曜日は降雨があった。1分31秒台の高速決着になっては苦しいが、ナミュール(父ハービンジャー)が1分32秒5で勝った昨年と同じような芝コンディションなら、凡走はないと思える。身体つきも、動きもパワー型の印象で、必ずしも軽快な動きではないが、重苦しいストライドではない。
評価は大きく分かれて当然だが、陣営は京都の軽い芝のマイルCSの特徴を十分に知ったうえでの意欲的な遠征。鞍上はスノーフェアリーで京都のエリザベス女王杯2連勝のR.ムーアJ(ともに直線は芝の荒れた内を衝いた)。雨の影響が多少でもあるなら、チャリンは通用すると思える。
愛国産のチャリンは、4代父ワージブ(’83)も、5代父トライマイベスト(’75)も輸入種牡馬。母ファトゥーンの父方祖父デインヒルも1996年は日本で供用されている。拡大した7代血統表のなかに、これまで日本に輸入された種牡馬が実に11頭もいる不思議な血統を秘め(セントクレスピン、快速サウンドトラックなど)、現代の欧州のトップホースとしてはきわめて珍しい血統背景の馬。これまでの外国馬とは違う結果が望める気がする。
ナミュール、ブレイディヴェーグ本線。穴馬は武豊騎手のオオバンブルマイ。