こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、東京競馬場で行われるジャパンカップ(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
各ジョッキーの判断が重要な要素に
東京芝2400mコースは世代限定戦で最も賞金が高い日本ダービー、全レースを含んでも有馬記念と並び最多賞金のジャパンCが開催されるように、日本競馬の根幹となる条件。コースによる枠順や脚質の有利不利も少なく、基本的には純粋な能力勝負が繰り広げられる。
近年の結果を見ても、単勝6番人気以下の馬が馬券になったのは2016年3着のシュヴァルグランが最後。特により直線の伸びが重要な馬場になった2020年以降だと、5番人気以内で掲示板を外したのは2021年のアリストテレス(4人9着)とユーバーレーベン(5人6着)のみ。その時の4着は天皇賞(秋)でも3強に次ぐ4着なのになぜか人気薄だったサンレイポケットなので、ある意味順当と言える決着だった。
今年のメンバー構成を見てまず感じるのは、逃げ先行馬がかなり少ないということ。近走で前につけて好走してきているのはシンエンペラー・スターズオンアース・ドゥレッツァ辺りで、おそらくこのあたりの馬が前につけてくるとは思うが、ペースとしては前半がスローで流れる確率はかなり高いとみている。
天皇賞(秋)の内容を見ても自分の型にハマった時のドウデュースは手が付けられない強さだが、折り合いが難しくて猛ピッチで走る馬なので、直線が長い東京コースでは4コーナーまでしっかり我慢させる競馬が理想。
ただ過去のジャパンCを振り返っても、遅くとも4F戦で基本5Fのロングスパートとなり、前半がスローで流れると後方の馬は物理的に届かない展開になりうる。その典型例が今年の日本ダービーで、シンエンペラーとレガレイラ以外は3コーナーで前にいた馬が8着まで独占していた。
頭数がそこまで多くならなかったのはラッキーだったし、世界のトップジョッキーが集まりスローになると道中で動く人馬も出てくるだろうから一概には言えないが、ドウデュースにとっては自分の型にハメるのが比較的難しいレースになりそう。各ジョッキーの判断がレース結果にとって重要な要素になりそうなメンバーなのでそこも注目したいところ。