こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、中京競馬場で行われるチャンピオンズカップ(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
軽視禁物な穴馬も
中京ダート1800mは癖の強いコース。まず最初にスタートが坂地点のため滑って出遅れる馬が他のコースに比べて多く、特にゲート内の挙動が悪い馬は警戒が必要。
そしてスタートから断続的に上がっていくことでペースは上がりにくく、残り1000m過ぎから4コーナーを曲がり切るまで下りが続く。3〜4コーナーが下りとなると外を回して仕掛けていった方が良さそうに感じるが、ダートコースの中では東京に次ぐ長さの直線と急坂があるため基本的にはコーナーで仕掛けるとゴールまで持たない。
加えて3〜4コーナーがスパイラルカーブとなっているためにそこで仕掛けると外に振られやすく、馬群の中にいても進路が開きやすいためにコーナーまで我慢して仕掛ける馬が有利になりやすい。
従って中京ダート1800mは内枠有利というのが定説だが、内枠の成績は低下傾向で、今年は特に結果が出ていない。
先日、来年からダートコースの砂の産地がJRAにより公表されることが報じられたが、JRAのダートコースの砂は長らく青森県産の砂を100%使用していた。しかし、良質な砂が採れなくなったために2020年代以降他の砂も混ぜているそうで、JRAによると現在は中山競馬場を除き青森県産100%の競馬場はないとのこと。
中京は地元の瀬戸市産の砂を混ぜて開催しているが、それが開始されたのが2021年9月開催から。その割合が徐々に増えていると考えれば、段々と枠順傾向が変わってきているのも合点がいく。あくまで仮説だが、これが正しければ中京ダートで内枠を狙うのは時代遅れということになりうる。
とはいえコース形態から物理的に外を回す競馬が不利には違いなく他のダートコースと比べても異質となっていて、直線でのギアチェンジが求められやすい事から比較的芝血統が走りやすい。
上の表でも複勝回収率が低くなっているのはすべてアメリカからの輸入種牡馬。芝血統の中でも特にキングカメハメハ系はランクインしている4頭すべて好成績で、惜しくもこの表には入らなかったがロードカナロア産駒も同じく。チュウワウィザードやジュンライトボルトの形が典型だが、馬群からピッチを利かせて抜け出すことができるキングカメハメハ系はこのコースと抜群に相性が良い。今回はペプチドナイル以外の3頭は穴となりそうだが、うまく噛みあった時には面白いかもしれない。