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「みんな痛いところがあると思うし…」 森泰斗元騎手引退に思う“騎手”を続けることの大変さ

  • 2024年12月03日(火) 18時01分
太論

▲小牧太騎手に最近の仕事や騎手の大変さについてお話を伺います!(撮影:稲葉訓也)


先週は、7番人気リュウノブレイクを勝利に導き、園田の馬券を盛り上げた小牧騎手。明後日の園田金盃のパートナーも伏兵のメイショウハクサンですが、小牧騎手なら見せ場以上も十分です!

さて、この1週間は、岩田康誠騎手との対談や細江純子さんとのトークショーなど、大忙しだった模様。今回の『太論』では、それらのエピソードを披露しつつ、森泰斗元騎手の引退を通して、長く乗り続けることがいかに大変かを語ってくれました。

(取材・構成=不破由妃子)

周囲からは「若返った」という評価も…「老体に鞭打って頑張ってます(笑)」


──先週の開催は、17戦1勝2着5回3着3回。接戦が多かったですね。

そうやね。でも、どの馬も頑張ってたよ。僕もいい感じで乗れていたし。まぁ勝ち上がったばかりの馬が多かったから、その流れでいえば、クラスが上がって2着、3着なら頑張ってると思う。

──チャンピオンズCは、感動的な結末になりましたね。

小牧 思った通りやったね。なんせレモンポップはスタートがいいから。枠順が出た時点で大丈夫やろうなと思って、大スポの予想コラムでも自信を持って本命にしたよ。30日の土曜日はね、姫路競馬場で開催されたトークショーに出て、姫路S(京都10R)の予想をしてきたわ。

──ヒモ荒れの一戦でしたが、まさか当たった?

小牧 ハズれた(苦笑)。万馬券やもん、難しいわ。トークショーは細江純子さんと一緒やったんやけど、やっぱり彼女はおしゃべりが上手やね。なんでもよう知ってるし、相当勉強してるんやろうなと思った。

──予想家・小牧太もなかなかですけどね(笑)。最近の話題でいえば、岩田(康誠)さんとの対談も。YouTubeで観ましたよ。『太論』でもやろうと思っていたのに、カンテレさんに先を越されてしまった…。

小牧 残念でした(笑)。まぁあの動画は、園田金盃に絡んだ企画やからね。康誠はあんまり酒を飲まないから、撮影の間はほとんど僕ひとりで飲んでたわ。

──岩田さん、飲まないんですね。

小牧 昔からや。まぁ飲まんでもアイツはあんな感じやから(笑)。

──園田金盃は今週の木曜日ですね。

小牧 メイショウハクサンに乗ります。早くから決まっててん。まぁ穴馬的な存在やけど、盛り上がるレースやし、精一杯頑張ります。

──小牧さんは穴馬でも侮れませんからね。先週水曜日(11月27日)の最終レースでも、7番人気のリュウノブレイクでしっかり勝って。

小牧 (園田では)初めての1700mやったから人気がなかったのかな。それに、鼻出血明けでね。道中は恐る恐るという感じやったけど、最後の最後に前の2頭をきっちり捕まえてくれた。気持ちよかったですわ。

──火曜日にエコロカイザーで勝利したレース(11月26日・園田9R)も、非常に見応えのあるレースでした。2着馬に一旦前に出られながらも、小牧さんが追い出した瞬間、グイグイ伸びて差し返した。動かすなぁと思いながら見ていました。

小牧 いやいや、あれは馬が強かった。力のある馬やから。僕はもう、ただただ必死や。「老体に鞭打って頑張ってます」って書いといて(笑)。

──何をおっしゃいますか。みんな「園田に行って小牧さんは若返った!」って言ってますよ。先日、森泰斗さんの引退会見の記事を見て、長く乗り続けるって大変なことなんだなぁと改めて思いました。すり減っていく身体と戦いながら、気持ちを保ち続けなければならない。大変な競技ですよね。

小牧 長く乗り続けるのは、本当に大変よ。馬に乗る姿勢が姿勢やからね。自分でも、ここまで乗り続けていられるのが不思議なくらいやねん。(武)豊くんは同世代やけど、彼は崩れないでしょう。すごいことやと思うよ。

 みんな痛いところがあると思うし、僕もあるけど、曾和鍼灸院で治療したりピラティスに行ったりしながら、乗り続ける以上は付き合っていくしかないからね。でもね、不思議なんやけど、腰は全然痛くないねん。中央にいる頃、痛くなるといったら大抵腰やったのに。

──腰痛はジョッキーの職業病と言いますから、それはうれしい誤算ですね。では、最後にファンからの質問をひとつ。「大昔からの太ファンです。園田の強い馬で中央馬を倒したいという夢、応援しています。そこで質問なのですが、かつて乗ってきた園田の馬のなかで、中央でもやれるかもと思ったのはどの馬ですか?」。

小牧 おらんねぇ。昔も含めて、そういう馬にはまだ出会ってない。なんせ地方の馬でJRAのレースを勝ったことがないし、昔乗っていた強い馬たちはアラブやから。それに、中央で20年も乗ってきたら、地方の馬で中央のレースを勝つことがいかに難しいか、余計にわかるようになった。だからこそ夢やねん。この先、「これは怪物や!」と思えるような馬に出会えたら最高やけどね。
(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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