障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、一昨年の夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く連載コラム。
雄造騎手のサポートや子育てに加え、福永祐一厩舎の開業準備に奔走する鬼嫁。夫が希望する“騎手復帰”への現状に疲れながらも、仕事面では充実した日々を送っていました。
20年以上バレットやマネージャーとして福永調教師の背中を見続け、「恩返しを少しでも果たしたい」と努力する日々。そんなある日、鬼嫁の心に“大きな転機”が訪れます──。落馬事故から1年半、力強く決意した「新しいステージ」の内容とは?
夫婦の明るい未来のために「私のなかで何かが切り替わりました」
夫は相変わらず“騎手復帰”という大きな目標を掲げるものの、その実現に向けた具体的な行動や計画が伴わないことが多々ありました。
私はもちろん、医師も療法士の先生方も何度もアドバイスをし、一緒に計画を立てたりもしましたが、結局は取り組みを定着させることができず、騎手復帰が見えない現状に不満ばかりを口にする状態が続きました。
そんな夫の様子からは、当然、騎手として復帰する未来は見えず…。厳しい言い方かもしれませんが、事実として、夫は回復するための努力、そのために自分を変える努力を避けているようにも見えました。
私はこれまで20年以上、(福永)祐一さんのバレット兼マネージャーとして、祐一さんがトップジョッキーに駆け上がる過程を目の前で見続けてきました。その姿は、まさにプロフェッショナルの塊!