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【朝日杯FSなど予想】トップレベルの追い切り内容だった馬は? 有力候補の調教内容をジャッジ

  • 2024年12月11日(水) 18時00分

アルテヴェローチェの仕上がりは?


 先週の阪神JF。抽選突破のショウナンザナドゥではなく、先行押し切りを期待した将来有望調教の該当馬ミストレスを本命にしました。前半34.2秒でも後続が差を詰めている状態での逃げ。雨の影響も含めて、8着は仕方ない結果かなと思っています。

 アルマヴェローチェは将来有望調教の該当馬ではありませんでしたが、CWでの追い切り内容は素晴らしく、4番手評価していた馬。先週の結果にめげることなく、今週も将来有望調教と追い切りの感触を重視して、朝日杯フューチュリティステークスの本命を決めたいと思います。

 そして、先週の予想バイブル「調教のミカタ」では中山ダート1200mを取り上げて、ガビーズシスターがきっちり勝利を決めました。今週はターコイズSの中山マイルを取り上げる予定ですので、どうぞよろしくお願い致します。

【ターコイズS/ドゥアイズ】

 秋華賞以降はCWオンリー(クイーンSを除く)CWオンリーの追い切りパターン。週末もCWで追い切っているので、左回りの追い切りが左右のバランスを良くしている印象。それがOP特別競走では2着、1着と結果が出ています。また、それらのレースが12月、2月だったことを思えば、寒い今の時期もフィットするのかもしれません。2週前追い切りが秀逸で、CWで6Fからきれいな加速ラップを踏むことができていて、好調を感じさせてくれます。

 中山マイルは初めてになりますが、折り合いはつきやすいタイプですから、極端な枠にならない限りはしっかりと力を発揮できる状態。ハンデの55.5キロはメンバーを考えると仕方ないところですが、他が軽いだけにそこは気掛かりです。

【ターコイズS/イフェイオン】

 中3週のNHKマイルCが5着、3ヶ月ぶりの桜花賞やクイーンSが惨敗という結果を見ると、単純にレース間隔の詰まったローテーションの方が高いパフォーマンスを発揮できるタイプかもしれません。ただ、中山マイルのフェアリーSを勝った時が中8週なので、詰めて使わないといけない馬でもないでしょう。

 フェアリーSの時は中間の追い切りで併せ馬を活発に先着していました。そういった意味では、2週前追い切りの併せ馬で先着し、1週前追い切りのCWでも追走先着した内容は高く評価できます。決して追い切り本数は多くありませんが、追い切り内容としては評価できる状態になっています。

調教Gメン研究所

追い切り本数は多くないが内容は評価できるイフェイオン(12月5日撮影)


【朝日杯FS/ミュージアムマイル】

 未勝利を勝った時の1週前追い切りがCWだったのに対して、前走の1週前追いは坂路。どちらも勝ったレースだが、1週前追いの共通点としては併せ馬を先着したというところがありました。それゆえに今回も1週前追いが坂路だった時点で併せ馬先着は必須かなと思いましたが、結果的には遅れます。

 これをどう判定するか悩みましたが、最終追い切りは坂路で4F目12.1秒の最速ラップを踏みました。2F24.3秒も評価したい数字なので、基本的には軽視できませんが、やっぱり併せ馬の状況を考えると重視もできないかなと思っています。

調教Gメン研究所

最終追い切りは坂路で最速ラップを踏んだミュージアムマイル(12月3日撮影)


【朝日杯FS/アルテヴェローチェ】

 サウジアラビアRCから少しレース間隔はあいていますが、2週前追い切り、1週前追い切りとCWで併せ馬を敢行。ユティタムには2週続けて遅れてしまいましたが、相手はめちゃくちゃ追い切り走る馬。時計的には十分走ることができています。

 最終追い切りは坂路で4F52.3秒。2F24.6秒、1F12.1秒なので、全体的に速い時計をマークしながら、4F目最速ラップも踏むことができました。レース間隔は前走と同じですし、調教内容を見るかぎりは出走メンバーの中でもトップレベルで欠点の少ない調教内容といってよいと思います。

調教Gメン研究所

トップレベルで欠点の少ない調教内容を消化したアルテヴェローチェ(写真奥、12月4日撮影)


【朝日杯FS/トータルクラリティ】

 新潟2歳S以来となりますが、新潟2歳Sの時は時季的なこともあってか、追い切り本数が少ない状態での勝利。そういった意味ではまだまだ伸びしろを残した状態で重賞を勝ったんじゃないかというのが個人的な評価でした。

 今回はしっかりと追い切り本数をこなし、週中CW、週末坂路というリズムで仕上げてきました。1週前追い切りのCWでの併せ馬は素晴らしい動きができましたし、最終追い切りはCWで単走だったことや2コーナー入場だったこともあり、6Fは85.4秒でしたが、ラスト2Fは11.6秒でまとめています。状態はいいと思います。

◆注目の新馬戦

・12/07 【オーレアミスト】(3人/3着) 将来有望調教該当<3頭>

 将来有望調教が3頭出走して、1着・2着も将来有望調教該当馬でした。2着から2秒離されたとはいえ、この馬もレベルの高い馬であることは間違いありません。

◆開催おすすめの調教適性

<中山ダート1200m>
◎調教タイプ追い切り本数標準以上併用系統
◎最終追い切り坂路4F目最速ラップ
○1週前追い、最終追いともに併せ先着

 先週のカペラSは◎◎○すべてに該当していたガビーズシスターが1着。1番人気だったとはいえ、ダートでは初重賞挑戦なのに結果を出せたのはこの調教適性でしょう。もちろん、今週以降も重要な調教適性だと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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