障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、一昨年の夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く連載コラム。
ついに福永祐一厩舎が開業し、温かいスタッフの皆さんと共に充実した日々がスタートしました。しかし仕事は順調な一方で、雄造騎手には大きな変化がないまま1年半以上が経過。家での会話は減り、更に精神的な距離も開いていくように...。
夫の現状と未来について熟慮した結果、なんと“鬼嫁キャラ”封印を決意します! まさかの決断に繋がった福永祐一調教師からの「気付き」とは──。
福永祐一厩舎で送る日々「私にとって本当に幸せなことです」
2024年3月、ついに福永祐一厩舎が開業を迎えました。連日、たくさんのマスコミの方々や開業特番の密着取材クルーが厩舎を訪れ、賑やかで華やかな日々が始まりました。
開業初戦を託されたのは、オープン馬のレオノーレ。武豊騎手とのコンビでコーラルSに出走したのですが(2着)、収得賞金順の4頭による抽選を見事に突破したあたり、祐一さん、さすがです! こうして、祐一さんらしい華やかで話題性に満ちたスタートとなり、私自身も厩舎の一角で充実した日々を送っていました。
初めて厩舎のスタッフのみなさんと顔を合わせた日、私は人見知りをするタイプではないので、近くの席の方々と雑談を楽しんでいたのですが、斜め前に座った臼井持ち乗り助手が「鬼嫁日記、読んでますよ〜。めちゃくちゃ怖くて今も怒られないかドキドキしてます〜(笑)」と冗談を交えながら場を和ませ、私がみなさんに馴染みやすい空気を作ってくれました。
私はこういう“イジリ”は大歓迎なので、この瞬間、「福永厩舎、楽しそうだな!」と確信(笑)。また、千引持ち乗り助手は、「雄造さんのことがずっと気になっていて…」と優しい言葉をかけてくれ、思わず胸が熱くなりました。