こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、中山競馬場で行われる有馬記念(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
異例の特徴で3歳vs5歳以上の構図に
有馬記念が行われる中山芝2500mコースは、外回りコースの内回りとの合流点の手前からのスタート。すぐに3コーナーに差し掛かるため、外枠の馬はポジションを取りに行くと外を回らされるリスクが高い。
過去のコース成績的には内外で複勝率に差はなく、むしろ20〜22年辺りは外枠優勢となっていた。ただ中山2500mで行われるレースの条件自体が少なく、例年3〜4月に4R、9月に2R、12月に4〜5Rといった設定。それも有馬記念週だけでグレイトフルS、グッドラックHC、有馬記念と3R行われるので、年末の荒れた馬場で行われるレースの占有度が高くなりそこで偏りがうまれているのは否定できない。
今年も昨年に続いて開催前は暖かい気候が続いたため芝の生育が良好で、12月に入ってからも船橋は降水量が0(執筆時点)と全く雨が降らず、当然馬場も良い状態を保ったまま先週まで来ている。
今年は天皇賞(秋)、ジャパンCと先行馬が手薄なメンバー構成になり、スローで流れてペースアップも速くないため前が残りドウデュースだけ差してくるという、大枠としては同じ競馬が繰り広げられていた。今回もメイショウタバルやホウオウビスケッツ辺りの先行馬が除外対象となり、またまた先行馬不在。
逃げ最有力はベラジオオペラだろうが、どうやってもペースが上がる画は見えず馬群は団子で進みそう。逆に言えばそこそこのテンがある馬なら外枠でも主張すればポジションは取れそうだし、道中でレースが動く可能性も高そうなメンバーなので、そんなに枠に囚われることもなさそう。
そのほかに今年のメンバーの特徴として、除外対象のニシノレヴナントとホウオウビスケッツを除くと4歳馬がベラジオオペラ1頭だけと極端に少ない点が挙げられる。過去にも2009年0頭、2001年と2004年1頭と少ないことはあったが、例年大体4〜5頭は出走してくるので異例と言えば異例。加えて3歳馬も出走枠に入りそうなのが3頭と多くなく、5歳以上が12頭出走することになれば86年以降最多となる。
実質的に3歳VS5歳以上ということになるが、常識的に考えれば5歳冬ともなると能力の上昇はなかなか見込めないし、ジャパンCでシンエンペラーが2着同着していることから3歳世代のレベルは低くない。2キロの斤量差がある今回は世代交代を告げるレースとなっておかしくないはずだ。