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【有馬記念など予想】ドウデュースら有力GI馬たちの状態は?調教内容をジャッジ

  • 2024年12月18日(水) 18時00分

レース史上5頭目の連覇なるか


 さあ、今週は有馬記念。豪華メンバーが揃った年末のグランプリですから、個人的には「好きな馬」を買うべきかなと思います。私は予想家をやっている以上、個人として好きな馬はつくらないようにしていますが、デビューから見守り続けているドウデュースに関してはちょっと違うかも。キズナなんかもそうでしたが、やっぱり日本ダービーで◎を打って、ダービー馬になってくれた馬には特別な想いがあるのかもしれません。

 ただ、その他のメンバーも目移りするような魅力的なストロングポイントがあります。どの馬に印を打って、どの馬には印が回らないのか。まあ、とにかく自分が魅力的だなあと思う馬に対して、コンパクトに印を打っていきたいと思いますので、どうぞ、週末のウマい馬券をご覧いただければと思います。

【阪神C/ナムラクレア】

 前走スプリンターズSから坂路オンリーの調教パターンになりましたが、前走の3着という結果を考えると、特に良い悪いがあるわけではなかったかもしれません。ただ、この中間の坂路での追い切り内容を見ていると、ガンガン時計を出している印象があり、1週前追い切りは坂路4F50.5秒。2F23.9秒も素晴らしい時計でした。

 最終追い切りは坂路4F51.4秒と全体時計はさほど速くありませんが、2F23.5秒。これは18日の坂路でベストの時計になりましたし、速さに関しては文句なし。ただ、11.4秒から12.1秒まで減速したところがどうか。実際に動きを確認することができなかったので、このあたりは調教映像で最終的な判断をしたいと思っています。

調教Gメン研究所

1週前追い切りで素晴らしい時計をマークしたナムラクレア(12月17日撮影)


【有馬記念/ドウデュース】

 昨年と全く同じ、天皇賞(秋)→ジャパンC→有馬記念というローテーション。中3週が続くこともあり、この中間は前走の中3週よりは調教量としては減っています。しかし、これは昨年の有馬記念の時と同じ。全く心配するようなことはありません。むしろ、1週前追い切りのCWでのラップが昨年のようなちぐはぐではなく、きれいな加速ラップを踏めたところに今年の進化が表れています。

 そして、最終追い切りはトレセンニュースでもお伝えした通り。バズアップビートの好リードもありましたが、テンから16秒台、15秒台、14秒台、13秒台とラップを刻んで、最後の2Fが11秒台。自在に加速できたという意味では本当に昨年とは違う走りの質になっています。昨年勝った時よりも今回の方が良く感じるわけですから、当然高い評価になると思います。

調教Gメン研究所

今年はきれいな加速ラップを踏めていたドウデュース(写真右奥、12月18日撮影)


【有馬記念/ダノンデサイル】

 1週前追い切りはCWで古馬3勝クラスを追走。道中のリズムを確認するような内容でしたが、ラスト2Fが11.8秒から11.1秒の伸びを見せて、密度の濃い追い切りだったのではないかというのが個人的な判断です。

 その過程があっての最終追い切り。どのパターンを選択するのかと思いましたが、CWで単走という内容。CWでの最終追いは皐月賞(競走除外)以来、その時や京成杯のCWでの最終追いはいずれも併せ馬でしたが、単走自体は日本ダービーを勝った時と同じです。決して速い時計に見えませんでしたが、道中はきれいな加速ラップを踏んでいて、ラストは11.6秒。リズムの悪い競馬になってしまった前走から、しっかりとここへ向けて、きれいな形で丁寧に仕上げてきたという感じがします。

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きれいな形で丁寧に仕上げてきたダノンデサイル(12月18日撮影)


【有馬記念/スタニングローズ】

 陣営から「引退レースにして、一番良い状態」というコメントが出ていますが、それに激しく同意したくなるシルエット。今までになく、トモの張りが目立っていますし、この時季の牝馬としては考えられないくらい、ピカピカの毛艶。メンタルも程よく気合が乗っている感じです。

 最終追い切りが2F25.1秒、1F12.0秒ということで、これまで目安としていた、24秒台、11秒台のどちらにも該当していないので、客観的には推しにくい面もありますが、追い切りの動きを見ていても、体調が良いことは間違いありません。有馬記念で坂路単一調教馬を高く評価することはほとんどありませんが、この馬はちょっと例外にしてみようかと思います。

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とても体調面がいいことがうかがえる追い切りだったスタニングローズ(12月17日撮影)


【有馬記念/ベラジオオペラ】

 天皇賞(秋)の仕上がりに関しても、決して悪くないと思いましたが、陣営のコメントが今ひとつだった理由が今回でよく理解できました。というのも、馬の状態はやはり前走よりも今回の方が良く感じます。やっぱり夏の暑さの影響があったということでしょう。

 横山和生騎手が跨った1週前追い切りがCWで6F79.7秒。動き自体は前走と同じような感じに見えてしまうのですが、馬体のボリューム感が今回の方があるので、その分、迫力ある動きに思います。また、最終追い切りも楽な手応えでラスト1Fが11.3秒。これも前走と同じですが、6F時計に違いがあって、やっぱり今回の方がかなり良くなっているという判断をしたいと思います。

調教Gメン研究所

楽な手応えで最終追い切りを消化したベラジオオペラ(12月18日撮影)


◆注目の新馬戦

・12/14 【メディテラニアン】(1人/1着) 将来有望調教該当<5頭>

 10頭立てでしたが、半数は将来有望調教の該当馬ということでレベルの高い一戦だったと思います。着差はクビでしたが、2着馬も将来有望調教の該当馬でしたし、この馬の今後の活躍が2着以下の勝ち上がりの指標になりそうです。

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝2500m>
◎1週前追い切り以降トラックW6F82.9秒以下かつ3F37.9秒以下
◎調教タイプ追い切り本数標準以上併用系統

 トラックW追い切りでの時計条件に関しては、昨年の有馬記念の1着から3着馬はすべて該当していました。併用調教に関しても2着、3着は該当。どちらにも該当しないというのはかなり調教適性として低くなることは覚えておきたいところです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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