「来年に向けて本当に大事な1戦」ホープフルSへの意気込み

──デビュー当初から追い切りに騎乗されていましたが、初めて乗った時の印象は。

北村友　バランスのいい馬で、自分のリズムを崩さない馬だなと思いました。自分を持っているという感じですね。幼さもそこまでなかったです。

──最初にまたがった時から“走る”というふうに感じたのですか。

北村友　追い切りが終わっても、息が乱れなかったですし、体力があり、心臓の強くて走る馬だなと思いました。

──デビュー戦を振り返って。

北村友　牧場の関係者や先生と話し合い、持ち味である体力を活かした競馬を心掛けようとなりました。その中で早めから動いていって、直線では反応をみせてくれて、最後まで脚色が衰えることなく強い競馬だったと思います。スケールの大きさというものを感じました。

──2戦目の東京スポーツ杯2歳Sについてですが、レース当日はすごく馬体重が増えていましたね。成長はやはり感じましたか。

北村友　成長もありましたけど、やっぱり急ピッチで仕上げた分、体に余裕があったのは確かだと思います。

──その中で重賞制覇。

北村友　正直100％の出来ではなかったことも確かです。どれだけやれるのかなという感触で臨みましたが、しっかりと最後まで脚を使って勝ち切ったことに、本当にすごい能力を秘めている馬だなということを改めて実感しました。


──デビュー当初と比べて変化していた部分はありましたか。

北村友　新馬戦の時から良かったので、あまり大きな変化はなかったと思います。

──今月11日にレースぶりにクロワデュノールに騎乗されました。その時の感触はいかがでしたか。

北村友　ホープフルSからしたら2週前になりますが、その時点でもう動けるような態勢が作れているなと感じました。初めて、前に行って、後ろから他馬に来られるという形で追い切りをしましたが、後ろから来られた時の反応がすごく良くて、いい体の使い方をしているなという風に感じました。

──そして、18日に1週前追い切りに騎乗されました。

北村友　3頭併せで内から行って、向正面はゆっくり運び、3、4コーナー中間からペースアップしていきました。直線に向いた時は、いつでも反応できるような態勢を作りながら、追い出してからしっかり反応していましたし、負荷をかけた中で良い追い切りができたんじゃないかなと思います。

──2戦走ってきて、精神面に変化などは。

北村友　少し気が入るところは出てきましたけど、コントロールが利かないということはないので、特に問題ないと思います。

──改めてこの馬の強みは。

北村友　総合点が本当に高い馬だなと思います。



──今後ますますどのような馬になってくると思いますか。

北村友　今でも総合点が高い馬ですけど、総合点全てが全部一回りも二回りも大きくなってほしいなということを1番に期待したいですね。

──ホープフルSではどういったレースを思い描いていますか。

北村友　レースに行っての良さっていうのを新馬戦、東京スポーツ杯2歳Sと僕の想像を超えたレースをしてくれているので、その点ホープフルSでどういう走りをしてくれるのかということが、僕自身も本当に楽しみです。不利のないレースをしてあげたいなというのが1番ですね。

──クロノジェネシスでもタッグを組んでいた斉藤崇史調教師とは、この馬についてどのようなお話をされましたか。

北村友　先生も新馬の前からすごく楽しみな馬ですよということをおっしゃっていました。そういう馬に乗せていただいている中で、牧場関係者や先生と密にコミュニケーションを取りながら一緒に作りあげていければいいなという思いがあります。次のレース、またその次のレースに向けて、1戦1戦、しっかりとこの馬のベストは何なのかということをコミュニケーションを取って、作りあげていきたいです。

──ご自身は今年重賞6勝。好調の秘訣は。

北村友　変わらず真面目にコツコツとやっているだけです。目立たないですけど、少しずつ結果に出ているのかなと思います。重賞勝ちに関しては本当に運も味方してくれているなと感じていますね。怪我から復帰したからと言って沢山良い馬に乗せてもらえるほど、自分にそんなに実績があるわけではないですし、そこまでの技術があるわけではないです。

　特別意識してやっているわけではないですが、僕が馬に乗って感じたことをしっかり関係者の方々に丁寧に伝えた上で、コミュニケーションをしっかり取るということが次の1つの勝利につながっていくんだと思います。

──ホープフルSに向けて最後に意気込みをお願いします。

北村友　今年最後のGIですし、いい形で締めくくれれば言うことないなと思います。クロワデュノールにとっても来年に向けて本当に大事な1戦なので、そこをしっかりといい結果で来年に繋げたいという強い思いで頑張ります。