障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、一昨年の夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く連載コラム。
前回、“鬼嫁キャラ”封印を決意して、夫のリハビリを静かに見守る生活がスタート。積極的に取り組みはじめるかと思いきや、自主リハビリは減り、療法士の先生方からも困った報告が届くように…。
この事態に“鬼嫁”が早速復活! 問題解決のため、様々な試行錯誤を繰り返します。家庭内で孤立する雄造騎手ですが、「乗馬」のリハビリだけは自主的に行う変化を見せながら、季節は春へと移ります──。
鬼嫁が推測する夫の複雑な“心境”
鬼嫁キャラを封印し、夫を静かに見守ることに決めて以降、夫のリハビリはどうなったかというと…。鬼嫁の監視の目がなくなったことで、伸び伸びと自由な生活を満喫しているようで、自主リハビリをすることが減り、意欲もどんどんと薄れているように感じました。
実際、訪問リハビリを担当してくれている療法士の先生方から、「直前まで寝ていたように感じる」「タバコの臭いがする」「糖分の過剰摂取が疑われる」といった報告が頻繁に届くように。寝ぼけた状態ではリハビリに集中できないし、タバコと糖分摂取は脳の血流が悪くなり、回復を妨げます。
見守ると決めたものの、療法士の先生からこのような報告を受けては、さすがに何も言わないわけにはいきません。こうして私は、早々に鬼嫁を召喚することに決めました(笑)。
さっそく「リハビリが終わったら、好きなだけタバコを吸えばいい! 今は回復のために我慢のときだ!」と説得。ですが、怒りと反発心にとらわれているようで、私の言葉が届くことはなく、療法士の先生方ともども困り果ててしまいました。