こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、中山競馬場で行われるホープフルステークス(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
やはり早期デビュー×ノーザンファーム生産馬は強い
ホープフルSが行われる中山芝2000mは、1コーナーまでの距離は標準的だが小回りコースなので頭数が揃うと極端な外枠はやや不利。毎年年末のAコース最終週での開催となるが、今年は昨年に続いて雨の影響がなく良好な馬場状態が継続中。気持ち内枠有利位の考えで良さそう。
加えてスタートしてから上り坂を走るコース形態で、ペース的には比較的速くなりにくい。毎年ペースが流れないレースで、2歳未勝利戦の平均(良馬場・2015年産以降)と比較してみてもそれは見て取れるところ。これはAコース最終週開催のために前に行って残り目を狙うような馬が少ないというのが一因としてあるはずで、比較的馬場が良かった昨年は比較的前掛かりの仕掛けが多くペースが上がることとなった。
前述したように、今年も昨年かそれ以上に良好な馬場状態が続いている。メンバー的には前走逃げた馬こそ3頭だが、初角3番手以内で競馬した馬は10頭いて比較的多い印象はあるので、昨年に続いてペースが流れる可能性も十分ありそう。
このレースは各馬経験値に乏しい2歳の段階でタフな芝2000mを走ることになる。だからこそレースでの経験が重要だが、間隔をあけるローテーションが主流の昨今、最速で使えても6月からの半年しか時間がないわけでなかなか使い込むのは難しい。
そこでやはり早期デビューというのは利が大きく、ここ2年はドゥラエレーデやサンライズジパングと大穴が走ったが、ともに6月にデビューから芝で勝ち上がれずも、ダートで経験を積んでの臨戦という共通点があった。
特に大手牧場の馬においては早期デビューできるということは育成段階から光るものがあった可能性が高いし、7月上旬にセレクトセールが開催されることから、手応えがある馬はそれまでにデビューさせ、関連する馬の価値を高めるというのは常套手段。
大穴のドゥラエレーデで数字がかさ増しされているとはいえ、やはり早期デビュー×ノーザンファーム生産馬は強い。今年その条件に当てはまるのはクロワデュノールとマジックサンズの2頭のみで、人気なりに評価は必要だろう。