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【ホープフルS予想】2024年中央競馬最後の2歳GI 有力馬たちの調教内容は?

  • 2024年12月25日(水) 18時00分

注目を集めるクロワデュノールの仕上がりは?


 今朝、12月25日は栗東からドウデュースが北海道へ向けて出発する日。松島正昭オーナー、武豊騎手をはじめ、多くの関係者、報道陣に見守られながら馬運車へ乗り込みました。2歳から先週の最終追い切りまで、たっぷりと追い切りや調教を見せていただき、たくさん勉強になることを教えてくれたドウデュース。担当者の前川和也調教助手はじめ、友道康夫調教師など関係者の皆様には本当に感謝しかありません。ありがとうございました。

 そんなドウデュースの産駒も順調なら、2028年のホープフルSには出走しているかも知れません。その頃にはイクイノックスの産駒もいるでしょうから、本当に楽しみです。といっても、まずは今週のホープフルS。1週前追い切りまでの段階で良い動きを見せている馬が多すぎて、ちょっと迷っています。

【ホープフルS/クロワデュノール】

 デビューから2戦、東京競馬場という舞台ではありますが、上がり33秒台のメンバー最速を計時して連勝。しかも先行してその脚を繰り出すわけですから、能力の高さに疑う余地はありません。しかも前走はレース間隔があいたこともあって、まだ良化の余地を残す状態でしたから、それで結果を出したところが今回に活きてくるような気がします。

 もともとCW追い切りではきれいな加速ラップを踏むことができる馬でしたが、前走の最終追いではそれができていませんでした。しかし、今回はきれいな加速ラップ。それでいて、最後の直線は2F22.5秒ということで、これまでのベスト2F時計をマーク。調教内容に関してはほぼ完璧という評価でよいと思います。

調教Gメン研究所

調教内容に関してはほぼ完璧なクロワデュノール(12月24日撮影)


【ホープフルS/マジックサンズ】

 12月4日のCW追い切り。これが6F79.5秒と全体時計は速い内容でしたが、今ひとつに見えました。この時点でどうなんだろうと思っていましたが、少し順調さを欠いた中間の内容も精査した時に他の馬と比べて、高い評価がしにくいという事実はあります。

 そして、案外だったのが最終追い切り。CWでの3頭併せでしたが、少し行きたがるようなところがあって、ラスト2Fが11.9秒、12.0秒というラップ。この馬の脚力からすれば、11秒前半の脚は使えるはずなので、それを見せてこなかったことについての判断がこれまた難しいところです。

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調教内容の評価が難しいマジックサンズ(12月25日撮影)


【ホープフルS/ジョバンニ】

 ここまで3戦して1勝しかしていませんが、この馬があらためて優秀だと感じたのが、1週前追い切り。CWでの併せ馬でしたが、道中きれいな加速ラップを踏みつつ、ラスト2Fが11.6秒、11.6秒。これを楽々とマークして、コーナー4つの立ち回り性能の高さを感じたわけです。

 最終追い切りは坂路ですが、これは野路菊S2着時と同じパターン。当時よりも時計が遅いのは中山競馬場への輸送があるからでしょうし、当時は休み明けで追い切り本数が少なかったので、今回の方が調教の厚みはあります。また、レース間隔もこれまでで一番詰まっている形となりますから、これまでで最も調教の負荷をかけていると判断してよいでしょう。

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これまでで最も調教の負荷をかけているジョバンニ(12月18日撮影)



【ホープフルS/ジュタ】

 1戦1勝ですが、驚いたのは1週前追い切り。CWで3頭併せでしたが、道中少しちぐはぐになるラップを踏んだとはいえ、ラスト2Fが11.2秒から11.0秒。この加速力は文句なしですし、1回レースを使って、確実に上昇している印象を受けます。

 最終追い切りは坂路で4F最速ラップを踏めなかったので、これについては実際の調教映像を見て最終確認したいと思っていますが、大きく評価を下げるほどではないはず。調教量自体もしっかりしていますし、軽視はできない1頭だと思います。

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加速力は文句なしのジュタ(12月24日撮影)


【ベテルギウスS/ハピ】

 追い切り本数の少なかったシリウスSに比べれば、中4週ということもあって、追い切りをしっかり消化して期待できる状態にあったと思われる、みやこS。馬券圏内に入ることはできませんでしたが、やっぱり4着と巻き返し感のある着順にはなりました。

 今回はレース間隔があいたので、どんな調教内容になるか注目していましたが、追い切り本数自体はしっかりこなしています。ただ、最終追い切りの坂路でのラップが後半2F、12.6秒、12.6秒で4F目最速ラップは踏めませんでした。ここをどう判断するかというところになってきます。

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追い切り本数自体はしっかりこなしたハピ(12月24日撮影)


◆注目の新馬戦

・12/22 【ディオデルマーレ】(1人/1着) 将来有望調教該当<2頭>

 このレース自体は将来有望調教の該当馬が2頭しかいなかったので、決してレベルが高いわけではなかったと思いますが、本馬がとにかく追い切りで動きます。この距離においては相当なところまで進みそうな予感はあります。

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝2000m>
◎調教タイプ追い切り本数標準以上併用系統かつ1週前以降併せ先着

◎調教タイプ追い切り本数標準以上併用系統かつ2週前以降坂路4F56秒以下かつ4F目最速

 すごく細かい条件設定にしていますが、単なる併用ではなく、併せ馬の要素か坂路の要素で一定条件をクリアしていることが調教適性を発揮できるという視点。ただ、今開催では◎に該当した1着馬がいないので、ホープフルSで重視する調教適性については少し悩んでいます。年明けには中山金杯が行われる条件でもありますし、もう少し分析を進めて、予想バイブル「調教のミカタ」で結論を出そうかと思います。

当コラムの次回更新は1月3日(金)18時予定です。


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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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