こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、中山競馬場で行われるアメリカジョッキークラブカップ(GII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
確かな末脚がある馬の方が狙いやすい
中山芝2200mは4コーナー付近からのスタートで、1コーナーまでの距離が400m以上と気持ち長めなコース。ただスタートしてすぐに上り坂に入り、1~2コーナーの中間で最高点を迎えるまでそれが続くことから序盤のペースはそんなに流れない傾向。
しかし、残り1200m手前から下りに入ることで早い段階でペースが上がることが多く、過去10年の当レースでも残り1200~1000m区間で12秒代後半のラップを刻んだのは不良馬場の2021年を除けば2019年だけ。それに加えて外回りコースで3コーナーが直線に近い形態になっていることから、後半では長く脚を使う競馬が求められやすい。
そのことから、序盤はペースが流れにくいにもかかわらず、前走で上がり3位以内の脚を使っていた馬の複勝回収率が全芝コース(施行回数の少ない3000m以上や小倉1700m、阪神2600mを除く)中で7位。逆に初角3番手以内の競馬をしていた馬の複勝回収率はワースト6位と、確かな末脚がある馬の方が狙いやすい。
とはいえ今回の登録メンバーを見ると、ぱっと見で先行馬が少ない印象。安定して先行しているのは、小倉牝馬Sに回る可能性が高いコスタボニータを除くとアウスヴァールとボーンディスウェイくらい。
人気馬を見ると、ダノンデサイルもこのメンバーなら楽に先行できそうだが、参戦の意図を考えても今回は結果よりも内容を求めているだろうからそんなに前にプレッシャーを掛けていくようには思えないし、レーベンスティールは折り合い難で道中は動きたくないし動けないはず。
続く馬も手元集計でこれまで出遅れ率100%のコスモキュランダに、ボルドグフーシュ・ビザンチンドリームも長距離向きで出脚は鈍い。開催最終週だが例年よりも馬場がキレイな状態であることを考えても、荒れるとしたら前や内で立ち回った馬が残るパターンになりそう。