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「油断騎乗と言う人もいるでしょうねぇ」──テーオードラッカーがハナ差まで詰め寄られた“もどかしい理由”とは!?

  • 2025年01月23日(木) 18時01分
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“VOICE”

▲川田騎手がレース中の動作について詳しく解説(撮影:福井麻衣子)


今回のテーマはレース中の追う動作について。ゴール前でジョッキーが追う手を緩める“油断騎乗”に見える動作には、実は様々な理由があることを明かします。

一つの勝利を掴むために、どんなことを考えながら騎乗しているのか。「追えばいい、叩けばいいというものではないんですよね」と、1月のレースを例に挙げ、川田騎手が詳しく解説します。

(取材・構成=不破由妃子)

「馬には気持ちがあるから」“油断騎乗”ではない動作の背景


──先週は、惜敗続きだったアンバードール(1月18日・中京7R)とテーオードラッカー(1月19日・中京8R)を勝たせた一方で、パカーラン(1月19日・中京7R)はまたしても2着。パカーランに限らず、常に2着、3着にはくるのに、どうしても勝ち切れない馬って多いですよね。やはりジョッキーとしても、もどかしい感じですか?

川田 パカーランについては、毎回しっかり走ってくれての結果です。その日の精一杯の走りをしてくれていますが、いつも彼より1頭、強い馬がいるということ。

──抜け出すとやめたり、ソラを使ったりなど、勝ち切るのが難しい理由がある馬も?

川田 そういう馬ももちろんいますよ。日曜日に勝ったテーオードラッカーも2着、3着が多かった馬で、先週にしてもゴール前で足跡を見つけて、浮いて走らなくなった。だからあそこまで詰め寄られたりもするんですけど…。

──最後はヒヤヒヤしました…。思わず「川田さん、後ろきてるー!」と叫んだ(笑)。

川田 油断騎乗だなんだと言う人もいるでしょうねぇ。でもね、あの馬の場合、あの瞬間はあれ以上強く促せないんです。

──あ、そうなんですね。

川田 あの状況で無理に強く促せば、

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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