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▲小牧太騎手に姫路競馬場での開催について伺います(撮影:稲葉訓也)
先週からは姫路開催がスタート。「姫路で乗ったのは、いつ以来かわからないくらい昔」という小牧騎手ですが、初週から19戦4勝、2着8回と存分に存在感を見せつけました。
今回は、小牧騎手が感じた園田競馬と姫路競馬の違いや、姫路までの移動手段など、ひと味違う日常を語るとともに、松本幸祐騎手も参加予定だったという飲み会のエピソードを明かしてくれました。
(取材・構成=不破由妃子)
僕が全国リーディングなんて獲ったら…笑うで、ホンマに(笑)
──先週の21日から姫路開催が始まりましたね。姫路競馬場で乗ったのはいつ以来ですか?
小牧 20年ぶりくらいかなぁ。中央にいる頃に一度だけ乗りにいったような気がするんやけど…。正直、はっきり覚えてないねん(苦笑)。それくらい久しぶりに乗ったよ。
──それだけのブランクがありながら、先週は3日間で19戦4勝、2着8回。連対率63.2%と大活躍でしたね。
小牧 3日目はチョロ負けが多くて…。今思うとね、どうにかなった2着が多かったような気がする。僕としては反省点が多いね。
──まだ1月の開催を3日残したところで、早くも計20勝。このまま行くと、年間240~250勝ペースですね。
小牧 月に20勝したら、200勝は超えるからね。とはいえ、数字の目標は立てていないし、リーディングは本当に意識してないんやけど、周りが盛り上がっているのと、スマホを見ていると(そういう記事が)出てくるから、ちょっと気になってる(笑)。
──1月27日終了現在、佐賀の石川倭騎手が22勝で1位、大井の矢野貴之騎手が21勝で2位。小牧さんは4位タイです。
小牧 ああ、4位に落ちたんや。それにしても、万が一にも僕が全国リーディングなんか獲ったら…。笑うで、ホンマに(笑)。数字はあんまり気にせんと、とにかく1頭1頭、どないかして勝たせる。その戦いや。なんせ強い馬に乗せてもらっているからね。みんなに感謝です。
──姫路開催に移ったことで、ファンの方から「園田競馬場と姫路競馬場の違いが知りたい」というリクエストがいくつかきています。まだ1週ではありますが、どんな違いを感じましたか?
小牧 馬場が全然違うね。なんせ内がめちゃくちゃ重たい。だから、逃げ馬とか乗りづらいよ。重いからといって、内を開けたら突っ込んでくるジョッキーもおるし。
──1周距離や直線距離が園田より若干長いんですよね?
小牧 そうやけど、それはあんまり関係ない。とにかく内が重くて時計も掛かるし、前残りが多いねん。後ろからきそうやなと思う展開でも前が残る。不思議やね。
──園田よりもその傾向が強いということですか?
小牧 今はね。園田もそうやけど、日によって本当に馬場が変わるから。よう見ておかなアカンわ。雨が降ったりしたら、園田もすぐ内が重たくなるし。雨が降ると、時計がむちゃくちゃ掛かるようになるねん。
──中央のダートは、雨が降ると脚抜きがよくなって時計が速くなる。逆なんですね。
小牧 そうそう。難しいよ。さっきも言ったように、日によって本当に馬場が変わるから、たとえ乗っていなくても1レースからずっとレースを見ているし、むしろちゃんと見ておかないと傾向がつかめない感じや。
──そういえば、姫路には調整ルームがないとか。いつ移動しているんですか?
小牧 これまで通り、月曜日の夜7時までに園田の調整ルームに入って、翌日の朝、みんなでバスに乗って移動します。7時半に園田を出て、9時過ぎに姫路に着く。バスのなかを真っ暗にして、みんな寝てるわ。移動があるぶん、疲れるかなぁと思っていたけど、姫路まで寝ていられるからむしろ体的には楽やね。
帰りはみんなバラバラに園田の調整ルームに帰る。早くにレースが終わる人は、調教師と一緒に車で帰ったりね。先週の木曜日は、新大阪で焼肉でも食べようかなと思って新幹線で帰ってきたんやけど、疲れていたし、体調ももうひとつやったから、何も食べんと帰ったわ。なんか見えない疲れがあるね。
──(松本)幸祐さんのことがあったなかで、週に3日は目一杯競馬に乗り、それ以外の日は調教に乗っている。心身ともに疲れが溜まって当然です。
小牧 そうかもしれんね。逆に忙しさに助けられているところもあると思う。なんせ忙しくて、「泣き虫ジョッキー」が泣けへんのやから。2週間経ったけど、まだ実感が湧いてないのかもしれんなぁ。そういえば、25日に幸祐も一緒に行くはずだった飲み会があってね。幸祐、その飲み会を楽しみにしてたんやわ。みんなでカラオケに行って、幸祐がよう歌ってたドラゴンボールの主題歌をみんなで歌ってきたよ。
(文中敬称略)