
▲佑介騎手とC.ルメール騎手の対談第2回(撮影:桂伸也)
「イクイノックスはポニーみたい」フランスではどういう意味?
──前回の『with佑』ご出演から8年半が経ったルメールさんですが、その間、佑介さんが一番印象に残っているレースは?
佑介 8年半か…長いなぁ(苦笑)。めちゃくちゃたくさんありますけど、「一番速かった」という意味では、2023年の天皇賞(秋)のイクイノックスじゃないですか。僕(ジャックドール)がすごいペースで逃げたレースでしたけど、レースのあとクリストフに「ナイスペース!」って言われましたから。
ルメール イクイノックスにとっては、すごく楽だったから(笑)。
佑介 イクイノックスは前の年の天皇賞(秋)も勝ったけど、あのときは「4コーナーを回った時点で、絶対に勝てないと思った」って言ってたよね?
ルメール うん。あのレースは、絶対に(逃げた)パンサラッサを捕まえられないと思った。
佑介 それが2023年は、まるで口笛を吹きながらの如く、僕の横をシューッと抜いて行った。気持ちよかったでしょ?
ルメール ごめんなさい…気持ちよかった(笑)。
──イクイノックスについては、さまざまな言葉を残されていますが、なかでも「ポニーみたい」という言葉がクローズアップされて。あの真意を改めて伺いたいなと思いまして。
ルメール あれは…(苦笑)。日本ではちょっとミスアンダースタンディング(誤解)がありましたね。フランスで「ポニーみたい」と言ったら、すごく乗りやすい馬、おとなしくて誰でも乗れるイージーコントロールできる馬、という意味です。

▲「ポニーみたい」=「すごく乗りやすい馬」(撮影:桂伸也)
佑介 おとなしくて可愛い馬、という意味だよね。
ルメール そうそう。決して「小っちゃい馬」じゃないね(笑)。
──日本でポニーというと、いわゆるあのポニーがイメージされて、「えっ!?」となっちゃった。
ルメール 僕のあの発言には、みんなビックリしてたね。「イクイノックスがポニー!?」って(笑)。
佑介 あんなに速いポニーはいない(笑)。
──ですよねぇ。佑介さんはルメールさんの「ポニーみたい」という表現を正しく理解されていたわけですが、「だろうな」と思いましたか?
佑介 おとなしそうではありましたけど、最初のうちは、それほど乗りやすそうというイメージはなかったですね。クリストフがレースのなかでいろいろと教えて、馬自体も完成していって、それで結果的に乗りやすくなっていった…という印象です。最初は体質も弱そうだったし。レースを使ったら、すごく疲れていたよね?
ルメール うん。そうだった。
ルメール騎手が感じたイクイノックスとキタサンブラックの共通点
──2022年の天皇賞(秋)からの強さを思うと、皐月賞とダービーの敗因について、すごく細かく知りたくなるのですが。
ルメール 皐月賞は、