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【東京新聞杯・きさらぎ賞予想】予想のポイントは「馬場適性」にあり? 重賞出走馬の調教内容をチェック

  • 2025年02月05日(水) 18時00分

ウォーターリヒトの鋭い末脚は健在


 先週から開幕した東京競馬場と京都競馬場。日曜日は雨の影響を受けたということもありますが、展開を読む上で重要な「馬場読み」が非常に難しい状態。特に東京芝は2日目が差せる印象がありました。そう考えると、昨年の東京新聞杯のように、4コーナーを6番手以内で回ってきた3頭で馬券圏内が決着するということもないのかな、なんてイメージします。

 京都芝は1回開催だったとはいえ、やっぱりこの時季なので、速い上がりは出ないですね。タフな馬場状態だと思うので、そのあたりは頭に入れて予想を組み立てていきたいと思います。きさらぎ賞の場合はキャリアが浅いので、どこまで今の馬場が向いているか、想像する力がすごく重要になりそうです。

【東京新聞杯/ウォーターリヒト】

 前走京都金杯は12月下旬に追い切りを1本抜く状態でありながら、きっちりと末脚を使って2着。最終追い切りの内容から、決して状態が悪かったとは思いませんが、まだ良化の余地がある段階であの結果は左回りのマイルでの安定感を示していると思います。

 今回は中4週なので、2週前追い切り、1週前追い切りを坂路で併せ馬。きさらぎ賞に出走予定のウォーターガーベラと併せて、2週続けての先着。1週前のラスト2F24.1秒、1F11.9秒は非常に優秀です。最終追い切りは坂路で2F24.4秒、そしてラスト1Fは11.7秒でもちろん4F目最速ラップ。今回も鋭い末脚が期待できそうです。

調教Gメン研究所

鋭い末脚に期待がかかるウォーターリヒト(2月4日撮影)


【東京新聞杯/ジュンブロッサム】

 マイルCSの10着は案外な結果でしたが、中3週というレース間隔もパフォーマンスが落ちたひとつの要因と考えてもよいのかもしれません。そこからレース間隔があいた今回ですから、前走とは違った結果を期待できそうな気がします。

 ただ、絶好調だった富士Sの2週前追い切り、1週前追い切り、最終追い切りがすべてCW3F36秒台。それに比べると2週前追いのCW3F39.0秒が物足りない印象。1週前追いのCWは36.8秒でしたが、最終追いはCW3F37.7秒。パンパンの時計が速い馬場が向きそうなタイプだけに、そういった点も含めて、今回はどうだろうという評価です。

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ジュンブロッサムの追い切りは富士Sと比べると物足りない印象(2月5日撮影)


【きさらぎ賞/ランスオブカオス】

 新馬を勝ったばかりで前走朝日杯FSは3着。中1週、1F距離延長など簡単ではない条件をあっさり克服しての結果は高く評価すべきなのかなと思います。ただ、デビュー前が追い切り本数が少ない状態で使っているように、あまり追い切りを課してこないタイプ。今回は中7週のローテーションですが、やっぱり追い切りは少ないと思います。

 それでも機敏に動けたCWでの最終追い切り。吉村誠之助騎手が跨っていましたが、3頭併せで最先着しています。ただ、前走の最終追いとはラップの踏み方が違います。1F目をぐんと遅くして、じわじわと加速した前走と違い、今回は6F標識からラスト3Fまで1Fごとのラップが遅くなっていく形。これがまた1Fの距離延長という状況においてどうかと思います。

【きさらぎ賞/サトノシャイニング】

 前走東京スポーツ杯2歳Sは逃げる形となって2着。負けた相手はホープフルSを勝ってGI制覇、3戦3勝のクロワデュノールですから、3/4馬身差の競馬ができたことを評価すべきなのは言うまでもありません。

 まだ2戦しか経験していませんが、最終追い切りは新馬戦がCW、前走が坂路。前走は東京遠征だったので、厩舎のパターンとしては坂路になるのはよくあること。1週前追い切りに関してはCWで3頭併せを最先着しました。新馬と前走は2頭併せ先着だったので、負荷としては今回の方が強く、そして中身は変わらず良いという判定でよいでしょう。最終追い切りは坂路で4F目12.4秒の最速ラップ。順調です。

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厩舎パターン通りの順調な追い切りを消化したサトノシャイニング(2月4日撮影)


【きさらぎ賞/ショウヘイ】

 京都芝1800mを2戦して1勝。新馬戦の最終追い切りが坂路、前走の最終追い切りはCWという形でした。前走は中1週だったのにもかかわらず、2本の追い切り消化、しかも3頭併せで最先着という内容でしたから、追い切りの負荷としてはかなり強いものだったと評価できます。

 今回は中7週、追い切りの本数は決して多くありませんが、1週前追い切りがCWで3頭併せを最先着。川田将雅騎手が跨っていましたが、しっかりと動くことができていました。最終追い切りもCWでしたが、今回は単走。時計は6F83.5秒と決して速くない全体ですが、3F37.6秒、1F11.3秒と終いもしっかりしていました。1月19日の坂路では4F52.7秒をマークして、自己ベストを更新しているように、中間の追い切り負荷もしっかりかけられています。

調教Gメン研究所

中間で負荷をしっかりかけたショウヘイ(2月5日撮影)


◆注目の新馬戦

・2/2 【アールヴィヴァン】(3人/2着) 将来有望調教該当<6頭>

 将来有望調教の該当馬が6頭いて、うち5頭で掲示板を独占。勝ち時計は遅くなりましたが、間違いなくレベルの高い一戦。その中でもメンバー最速上がりを使えたこの馬が次の勝ち上がり最有力でしょう。

◆開催おすすめの調教適性

<京都芝1600m外>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切りがトラックウッドチップ馬場でラスト2Fが11.9秒以下
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 今週は桜花賞に向けて注目の一戦、エルフィンSが行われる京都芝1600m外回り。開幕週、先週の傾向を見ると、時計が速いというよりもパワーが必要な馬場。そうなるとトラックWの効果が大きくなりやすいのですが、そこの読みは少し難しい馬場状態という気もします。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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