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兵庫リーディング争いは「もっと面白くなるんじゃない?」 1位を争う17歳年下のジョッキーの“魅力”

  • 2025年02月11日(火) 18時01分
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太論

▲小牧太騎手が兵庫リーディング争いに関する質問に答えます!(撮影:稲葉訓也)


姫路開催の1週目には、「内が深くて重たくて、逃げ馬は難しい」と話していた小牧騎手ですが、先週は4勝中3勝が逃げ切りV。馬場の変化に即対応し、順調に勝ち星を伸ばしています。

今週は先週のレース回顧に加え、ファンからの質問に答える形で、現在兵庫リーディングのトップに立つ廣瀬航騎手について言及。「吉村が復帰すれば、もっと面白くなるんじゃない?」というリーディング争いについて語ってくれました。
(取材・構成=不破由妃子)

JRA時代は寒くてもカイロを貼ることもできなかった──「痩せてよかったわ(笑)」


──2月5日~7日の姫路競馬では、4勝を上積み。そのうち3勝が逃げ切りでしたね。先々週の『太論』で「内の砂が深くて重いから、逃げ馬は乗りづらい。内を開けたら突っ込んでくるし」とおっしゃっていましたが、やはり馬場傾向が変わってきましたか?

小牧 うん、内がちょっと軽くなり始めた。やっぱり傾向がコロコロ変わるね。それに、先週逃げ切った3頭は、行かなアカン馬ばかりだったから。高知から移籍してきたポッドジャスパー(2月6日・姫路7R・C2一・ダ1400m)は、手応えからして楽勝するんかと思ったら、最後は止まってしまったね。でも、短い距離なら面白そうな馬やわ。

──7日(姫路8R・3歳AB・ダ1500m)のエイシンハリアーは、最後方から進んだ前走から一変、途中から逃げる競馬で。余裕十分に逃げ切りました。

小牧 あの馬ね、力が違い過ぎるんですわ。早々に放したけど、まだ遊びながら走ってるもんね。伸びしろは十分にあるけど、めっちゃ難しい馬で。ゲートは悪いし、全然言うことを聞かへんねん。本当にうるさいよ(苦笑)。この前は一番後入れで、馬がボーッとしたところでゲートが開いたから暴れなかったけど、その前はすごかった。

──そういえば、雪が降りしきるなかでのレースでしたね。

小牧 寒かったぁ。なんせね、姫路は風があるから、体感温度がすごく低く感じる。つま先にカイロを貼って、肩にもカイロを貼って。あっちこっちにカイロを貼って凌いでるわ。それができるのも、体重が軽くなったからやね。

──JRAにいるときは、カイロすら貼れなかった?

小牧 貼れなかったね。カイロはけっこう重たいから。痩せてよかったわ(笑)。

──先週の競馬で、唯一後方からの競馬で勝ったのがエイシンテムジン(2月5日・姫路11R・姫路カシの木特別B1・ダ1400m)。みんなが内を開けて4コーナーを回るなか、後方からほんの一瞬内を突いて一気に距離を詰めた。直線に向いたときは先頭に並びかける位置にいましたよね。これは技アリだなと思って。あのレース、みんなに見てほしい(笑)。

小牧 技アリっていうか、道中囲まれて外に出せなかったから、しょうがなかっただけや。でもまぁ、馬に力があるからできた競馬やね。なんせね、僕が動かなかったら、周りが動かへん。どうしようもなかった。

──今の姫路競馬は、小牧さん次第。

小牧 みんな僕を目標に乗っているレースが多いのは確か。だから、僕が動かないとレース自体が動かない。

──そういう空気をヒシヒシと感じながら乗っているんですね。先に動かざるを得ないというのは、やりづらいものですか?

小牧 いや、いいことじゃない? それにしょうがないよね。ありがたいことに、僕が乗せてもらっている馬はほとんどが人気しているし、実際にこれだけ勝たせてもらってね。どうしたって僕を見ながらの競馬になるよね。

──現在、そんな小牧さんとトップ争いをしているのが廣瀬航騎手。その廣瀬騎手について、こんな質問がきています。「地方競馬初心者です。小牧騎手が移籍してから兵庫リーディングを気にして見ているのですが、今年は小牧騎手と廣瀬騎手がデッドヒートを繰り広げていますね。やはり脅威に感じていますか? 同じジョッキーとして、廣瀬騎手の魅力を教えてほしいです」

小牧 脅威に感じることはないなぁ。年齢も15歳以上離れているしね。デビューした頃から知っているけど、当時からいつもニコニコしている優しい子で、今も全然変わらへん。40歳には見えないし、柔らかい雰囲気でね。いい子やで。ジョッキーとしては、ゲートと道中の乗り方が上手いわ。きれいな姿勢やし、馬の勢いを殺さずに乗ってくる。折り合いをつけるのが上手いんやね。

──小牧さん、ここにきて勝ち鞍で廣瀬さんに抜かれてしまいましたね。

小牧 そんなの気にしていないし、むしろ抜かれたほうがいいでしょう。吉村(智洋)が復帰すれば、あいつもまたポンポン勝ってくるだろうし、もっと面白くなるんじゃない?
(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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