こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、東京競馬場で行われるクイーンカップ(GIII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
ハイペースな牝馬戦は未知のゾーン
先週の東京新聞杯では逃げて縦長の隊列に持ち込んだメイショウチタンが粘り込みヒモ荒れとなったが、結局それ以外の上位馬は単勝オッズ上位馬で占められており、癖が少なく全馬が能力を発揮しやすい舞台だからこそ基本的には荒れにくいコース条件。
クラシックへ向けて賞金加算を狙う馬が揃うクイーンCにおいてもそれは変わりなく、過去10年単勝オッズ3番人気以内の単勝回収率106%、複勝回収率が96%とかなり優秀な数字が残っている。
そんな中でも比較的波乱となった年に共通する点があり、それはペースが流れていること。
クイーンCに出走する馬は若駒でキャリアをほとんど積んでいない馬が多い上、牝馬なのでそれまでに速い流れを経験してくることが牡馬と比べても少ない。
そして東京コースで人気になる馬は基本末脚に優れたタイプであることから、スローペースになると牝馬らしいキレ味を存分に発揮して人気馬がそのまま走り堅い決着になるが、逆にハイペースになるとほとんどの馬が未知のゾーンに入ることで、それまで発揮していたパフォーマンスを出せずに終わってしまうパターンが少なくないという事だろう。
基本的に先行して粘り強く脚を使うタイプの馬はそもそもこのレースを選択しないが、数少ないペースが流れた年には2016年のメジャーエンブレムや2018年のテトラドラクマなど強い先行馬が出走していた。
では今年はどうかというと、前走で逃げているロートホルンは1800mとはいえハイペースを好時計で押し切り、他にも阪神JFでハイペースを先行して4着だったショウナンザナドゥに、フェアリーSでハイペースを先行し2着だったティラトーレがいて例年よりもペースが流れる可能性は高そう。例年よりも人気薄にチャンスがあるのではないかとみている。