スマートフォン版へ

【京都記念・共同通信杯など予想】今週末は3場で重賞開催 有力馬たちの調教内容は?

  • 2025年02月12日(水) 18時00分
  • 19

昨年覇者プラダリアのコンディションは?


 先週は土曜日の京都開催が雪のため順延。土曜日に東京移動があった私は高速道路の通行止めを懸念して、前夜に伊丹空港のホテルに宿泊して備えました。その時、20時すぎに京都競馬場の近くを通ったのですが、前が見えないくらいの雪。これは中止かなあという感じでしたが、後日、土曜日当日はギリギリまで開催を検討していたという話を聞きました。

 降り積もった雪をどかす作業、競馬場までの輸送などしっかり準備されていたそうなので、本当にたくさんの方々の努力があって競馬が行われているんだとあらためて感じました。今週はジャンプも含めると、3場で重賞が行われます。天気予報では先週のようなことはなさそうですが、いろんなことが無事に行われていけばよいなと思います。

【クイーンC/マディソンガール】

 当初のデビュー戦を順延して、仕切り直したのが前走の新馬戦。当初よりも動けるようになったかな、という状態ではありましたが、決して抜群というほどでもありませんでした。それでいて、レースはあの強さですから、追い切りはあまり関係ないタイプなのかな、と思えるところもあります。

 ただ、今回は追い切り本数がかなり少なく、1週前追い切りのCWでの併せ馬の反応も悪くないかなという程度。追い切りで動くタイプでないということを考えれば、これで十分だと判断してもよいのですが、人気になるようなら、他に調教内容で評価できる馬を探してみたい、というのが正直なところです。

調教Gメン研究所

追い切り本数がかなり少ないマディソンガール(2月11日撮影)


【共同通信杯/ネブラディスク】

 デビュー前は2週前追い切り、1週前追い切りがともにCW。併せ馬で古馬OPを相手に互角に動くことができているという印象でした。追い切り本数こそ少なく、最終追い切りは坂路で軽い時計の単走でしたが、前記したCWでの併せ馬の負荷もあって、レースでは結果を出したのではないかなと思っています。

 今回は休み明けになりますが、CWでの追い切りはありません。しかも併せ馬もないという状況。1週前追い切りの武豊騎手が跨った坂路での走りも気性的な難しさを感じる内容でしたから、こういった部分が単走の理由なのかなと思います。正直、まだまだ成長する余地を残している段階ですから、これで重賞を好走するようなら相当な大物ではないでしょうか。

調教Gメン研究所

気性的な難しさを見せたネブラディスク(1月28日撮影)


【共同通信杯/ワンモアスマイル】

 5戦1勝ですが、すべて馬券圏内という走り。野路菊Sは2着ジョバンニがホープフルS2着なので、その物差しからここでも力が通用する馬だと考えてよいでしょう。ただ、気性的なこともあって、なかなか勝ち切ることができません。

 少しレース間隔のあいた今回ですが、坂路でしっかりと調教を積んでいます。そして、最終追い切りはCWで横山武史騎手が跨っての併せ馬。もともと追い切りでは抜群に動くタイプだけに、4F50.6秒、3F35.8秒、1F11.2秒はさすがだなという時計。あとは実戦でも同じように動くことができるのかどうか。ここがポイントになりそうです。

【京都記念/プラダリア】

 京都大賞典7着は追い切り内容を吟味すると想定内の結果。香港ヴァーズはかなり良い状態での遠征でしたが、逃げる競馬はちょっとフィットしなかったんだと思います。そして、今回ですが、やっぱり冬場は調子が良いのか、栗東へ帰厩した当初から良い雰囲気。1月29日のCW単走で連覇も可能じゃないかという印象を受けていました。

 1週前追い切りのCWでの3頭併せもすごく反応が良くて、6F時計は昨年の1週前追いよりもかなり速くなって、82.8秒。見た目にも数字的にも高く評価できる内容でした。最終追い切りは坂路で2F24.6秒。これは昨年の京都記念1着時の最終追いと同じ2F時計。自分の力だけは走ることができる状態にあるのは間違いないでしょう。

調教Gメン研究所

反応も数字的にも高く評価できる内容のプラダリア(2月11日撮影)


【京都記念/ヨーホーレイク】

 昨秋の毎日王冠以来のレースになりますが、休み明けは決して不得手ではないタイプ。2年2ヶ月ぶりだった金鯱賞であの走りをした時にそんな印象を持ちましたが、あの時はCWでドウデュースと互角に動けるくらいの追い切り内容でした。それに比べると今回は1週前追い切りがCWでの3頭併せで1頭に遅れて1頭に先着。遅れた相手がロードフォアエースだったことはありますが、正直物足りなさもありました。

 だからというわけではないでしょうが、最終追い切りがCW。これは前走と違っていて、決して悪くないパターンだと思います。単走だったこともあり、目立って速い時計ではありませんが、前走と変化をつけてきた最終追いがどう出るかでしょう。

調教Gメン研究所

最終追い切りは前走と変化をつけたヨーホーレイク(2月11日撮影)


◆注目の新馬戦

・2/9 【ノアチュロス】(10人/2着) 将来有望調教該当<2頭>

 1着が将来有望調教の該当馬。本馬は人気こそはありませんが、勝ち馬に食い下がる動きでしたし、3着には1.8秒差をつけているので、レースレベルが高いとは言えません。ただ、本馬は軽視することなく、次走も狙うべきだと思います。

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝1600m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 先週の東京新聞杯は1着○、2着◎○の該当馬でした。昨年のクイーンCでも◎、○の調教適性が好走しているので、今年も変わらず、有効な調教適性になりそうです。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング