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【フェブラリーSなど予想】JRA今年最初のGIが開催 有力馬たちの調教内容は?

  • 2025年02月19日(水) 18時00分
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連覇を狙うペプチドナイルの仕上がりは?


 今週はJRA最初のGI、フェブラリーSが行われます。今年最初でありながら、これが「ラストGI」「ラストラン」になるという厩舎、馬がいるレースでもあります。それゆえにいつもの客観的に予想する調教適性以上に「思い入れ」の色も強くなる主観的な予想も入ってくると思いますが、そこは仕方ないところ。というよりも、サンライズジパングなんかに関しては海外遠征の予定が変更されて、ここを使ってきたわけですから、やっぱり「音無」「サンライズ」「フェブラリーS」って縁があるのかな、なんて考えてしまいます。

 そして、今年は阪急杯が土曜日に京都競馬場で行われます。高松宮記念へのステップレースですし、しっかりと予想を組み立てることで次走の予想にも繋げていきたいと思います。

【ダイヤモンドS/ショウナンバシット】

 札幌で連勝した後のアルゼンチン共和国杯は14着惨敗。これは12キロ減の馬体重が影響したものと思われるので、久しぶりに前日輸送での競馬が結果的に敗因となったような気がします。

 今回は決して多くない追い切り本数。その点においては物足りなさを感じる部分もありますが、坂路中心だった前走の追い切りに対して、今回はCW中心。特に先週のCWでの併せ馬では古馬2勝クラスを相手に素晴らしい動きができており、追い切り本数以上に順調に仕上がっているような気がします。週末追い切りがない分、馬体重も増えてくるでしょうし、完調ならこのメンバーでも通用するはずです。

調教Gメン研究所

古馬2勝クラスを相手に素晴らしい動きができたショウナンバシット(2月12日撮影)


【阪急杯/フォーチュンタイム】

 5戦4勝とはいえ、今回が初めての重賞挑戦。netkeibaの予想オッズでは1番人気ですから、さすがにこれは人気しすぎって思います。ただ、調教内容を見るとそれも仕方ないかなと思える部分もあって、それは吉岡辰弥厩舎ならではの土曜日追い切りに要因がありました。

 2月15日の土曜日。坂路で3歳OPのサウスバンクを追走する併せ馬でしたが、これに先着して、4F時計は50.5秒。自己ベストを更新して、速い時計、併せ先着という内容は吉岡厩舎のVSOP(非常に優良な追い切りパターン)に該当しています。見た目に派手な追い切りということで人気要因になるでしょうが、価値ある追い切りでもあると思うので、あとは本当に力関係だけです。

【小倉大賞典/ヤマニンウルス】

 まず最初に58.5キロのハンデ。これには正直、驚きました。なにせ昨年の勝ち馬エピファニーと同斤量。初芝という条件にもかかわらず、このハンデですから、調子うんぬんの以前に高い評価はできないですよね。

 調教内容に関しては順調。1月19日から週末、週中と必ず坂路での追い切りを消化していて、1週前追い切りでは坂路2F24.5秒、1F11.8秒と素晴らしい後半2Fの脚力を披露しています。最終追い切りは坂路4F56.5秒と全体時計は遅かったものの、4F目11.9秒を踏んでおり、切れ味のある動きを見せています。

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調教内容に関しては順調なヤマニンウルス(2月18日撮影)


【フェブラリーS/エンペラーワケア】

 武蔵野S以来となる休み明けですが、ここに向けての調教は順調。1月下旬から栗東で追い切りを開始して、坂路オンリーではありますが、週中と週末にしっかりと本数をこなすことができています。

 その追い切りの中でも圧巻だったのは1週前追い切り。坂路4F50.0秒はもちろんですが、2F23.5秒という素晴らしい後半2F。1F11.6秒も文句なしですし、これを4F目最速ラップでマークしているところが、完璧という言葉しか思いつかないくらいに完璧。追い切りに騎乗した横山武史騎手が絶賛するのも当然だと思いますし、GI制覇へ機は熟したといった感じでしょう。

調教Gメン研究所

圧巻な1週前追い切りを披露したエンペラーワケア(2月18日撮影)


【フェブラリーS/ペプチドナイル】

 昨年の覇者。全く人気はありませんでしたが、レース当日のパドックの気配が素晴らしかったことは今でも覚えています。当時のローテーションが中3週だったことが気配の良さとは無関係ではなかったかも、と思うところもあります。

 というのも、昨年の2月10日、土曜日追い切り。坂路で4F52.0秒と全体時計は遅かったものの、古馬2勝クラスを追走した併せ馬は先着でした。それが今回の土曜日追いは3歳未勝利を追走して遅れ。4F50.4秒と全体時計は速いので、ここは評価しないといけないと思いますが、レース間隔があいての遅れが微妙に気になります。

◆注目の未勝利戦

・2/15 【サヴォンリンナ】(2人/1着) 将来有望調教該当<7頭>

 該当馬7頭ということで、なかなかレベルの高いレースでしたが、きっちり勝ち切ったサヴォンリンナも当然将来有望調教該当馬。ただ、休み明けで追い切り本数が少なかったことを思うとまだまだ上昇の余地を残していると思います。

◆開催おすすめの調教適性

<小倉芝1800m>
◎最終追い切りが坂路馬場で1F目14秒台、2F目13秒台、3F目12秒台
◎1週前追い切り以降に坂路馬場で4F55.9秒以下かつ4F目最速ラップ

 昨年の小倉大賞典は◎の該当馬が好走はしていませんがこの舞台は基本的にこの調教適性。そもそも◎1のラップの踏み方が難しく、該当馬が少ないというデメリットはありますが、今年の小倉大賞典に限っては該当馬が数頭いますので、ぜひ見つけてみてください。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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