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「小牧太、調教師試験受けます」再来年に迎える60歳以降の人生設計を語る

  • 2025年02月25日(火) 18時01分
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太論

▲「それもいいかなと思い始めた」小牧太騎手、第4の挑戦は…?(C)netkeiba


先週は、エイシンハリアーで兵庫ユースカップを勝利! これにてコンビを組んで4戦3勝。3歳路線にはべラジオドリームというお手馬もいますが、エイシンについても「力は相当」と期待の高さを隠しません。さて、今回のファンからの質問は「川原正一騎手が元気に乗り続けられる秘訣」について。納得の見解を述べると同時に、60歳以降のまさかの“人生設計”を明かしてくれました。

(取材・構成=不破由妃子)

エイシンハリアーで重賞V!「筋肉痛になるくらい引っ張った(苦笑)」


──昨秋に続き、大阪スポーツでのGI予想が始まりましたね。フェブラリーSの本命はエンペラーワケア(5着)。

小牧 この時期のプラス12キロはちょっとしんどいわ。体が重かったんちゃうかな。

──減っていた体が戻ってのプラス体重ではなかったですしね。

小牧 そうそう。馬券は外れてしまったけど、全体としてはいい競馬だったね。それにしても、R.キング騎手はしっかり追ってくる。道中も安定しているし、まったく男性に負けてないわ。コスタノヴァは△の評価にとどめたけど、「失礼しました」って感じやね。

──「女性騎手だからではなく、一人の騎手として日本のGIを勝つことができて非常にうれしい」というコメントもとても印象に残りました。

小牧 うん、カッコよかった。まぁまた僕の“当たらんGI予想”が始まったので、よかったら見てください(笑)。

──いやいや、去年の秋はけっこう当たってましたよ。さて、先週は小牧さんもエイシンハリアーで兵庫ユースカップ(重賞)を制覇。おめでとうございます!

小牧 ありがとう。なんか勝ちそうな気がしてたんやわ。初日、2日目と流れが悪かったから、これは重賞勝つんかなって。

──運の使いどころというか、そういう流れってありますよね。

小牧 そうそう。大外の後入れが当たったしね。これは流れがきてるなと思いながら。とにかくゲートの悪い馬で、後入れじゃないとアカンねん。

──今回は、この馬にしては普通に出たような。

小牧 今回は最後入れだったからまだマシやったけど、たぶん次はやるよ。いつもいつもは出ないと思う。でもね、この馬、力は相当なものがあるよ。なんで門別では3着続きだったんやろう…と思うくらい。

──兵庫にきてからは、4戦3勝ですものね。重賞も初挑戦でいきなり結果を出した。

小牧 うん。ただ、大概言うことを聞かない(苦笑)。今回も往生しましたわ。1番人気のリケアマキアートが逃げたでしょう。無駄に競りかける形になったら悪いなと思って、むっちゃ辛抱した。もう引っ掛かって引っ掛かって、ずっと引っ張ってました。大げさではなく、筋肉痛になるくらい引っ張ったよ。

──そうだったんですね。「手応え抜群だな!」と思いながら見ていました(苦笑)。

小牧 いや、引っ掛かってたんですわ。リケアマキアートのほうが早く止まってしまったけど、あそこで辛抱したぶんの勝ちやね。

──重賞を勝ったことで、ますます楽しみになりました。でも、ゲートは大きな課題ですね。前に行きたい馬だから。

小牧 いや、どこからでもいけるよ。3走前はすごく出遅れて、最後方からの競馬になったけど、最後は脚を使って2着にきたからね。どこからでも競馬はできると思う。ただ、1700mとか1800mはさすがに厳しいなぁ。今後も短い路線でいってほしいね。

──もう1頭、同じ日の7Rのカンナリリー(5着)。小牧さんの評価が高い1頭なので注目していたのですが、姫路では2戦して4着、5着。コース、あるいは馬場が合わないとか?

小牧 僕も勝つと思ってたよ。持ち時計も一番やったからね。どうやら、こんなに続けて使っているのは初めてらしいわ。それまでは、1、2回使ったらすぐに放牧に出てたみたいやから。その影響なのか、いつもならスタートして飛び抜けて行くのに、前回からダッシュが付かない。小さい牝馬やし、見えない疲れがあるのかもしれんね。ものすごく毛が伸びてモコモコしているし、夏場がいいんちゃうかな。

──では、ファンからの質問をひとつ。「小牧さんより8歳も年上の川原(正一)騎手ですが、今年も15勝(2月20日終了時点)を挙げて頑張っていますね。的場さんが引退したことで、中央・地方合わせて現役最年長ジョッキーになったわけですが、小牧さんから見て、川原さんが元気に乗り続けていられる秘訣はなんだと思いますか?」。

小牧 川原さんは、若い頃と変わらず仕事に対して貪欲や。いつも一生懸命に乗り馬を探しているし、勝ちたいという気持ちもすごく強い。

──体作りやメンテナンスについてなど、いろいろ話したりするんですか?

小牧 よう喋ってはいるけど、そういう話はしないなぁ。川原さん、サウナばっかり入ってるよ。で、めちゃくちゃ食う。食べる量がすごい。

──たとえば、何をどれくらい?

小牧 弁当を2つ持ってきているし、さらに朝も食べてるやろうし。たぶん昔からで、体重が軽いからやろうね。サウナもね、体重調整というより、体を柔らかくするために入ってるんちゃうかな。たくさん食べて、仕事に貪欲で、ホンマに元気やわ。

──川原さんが乗り続けていられる理由がわかったような。

小牧 川原さんは、まだまだ乗ると思うよ。見ていればわかる。川原さんに「僕のほうが先に辞めるから」って言うたら、「お前が調教師になって、俺を厩務員として雇ってくれ」って言われた(笑)。

──じゃあ小牧さん、調教師目指さなくちゃ。

小牧 こっちは定年がないからね。それもいいかなと思い始めた。

──本当ですか!? またひとつ目標ができたじゃないですか!

小牧 騎手は60歳でホンマに辞めようと思う。再来年、60歳になる年に入ったら、「調教師試験受けます」言うて、試験勉強をしながらボチボチ乗っていこうかなと思ってね。地方だったら、2000勝以上したジョッキーに対する免除制度がまだあるから。70歳くらいまではまだまだ元気やと思うから、60歳で調教師になったとしても10年はできる。まぁそういう考えもあるということ。その代わり、今年と来年はね、ジョッキーとして燃え尽きるつもりで、目一杯乗っていこうと思ってます。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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