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【馬具&装備紹介】鐙には7度の角度、鞍下パッドはスポンジではなくゴム!? 貴重な鞍周り情報を大公開!/第3回

  • 2025年02月27日(木) 18時46分
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▲川田騎手愛用のこだわりグッズ紹介はついに最終回!(c)netkeiba


レースで使う“馬具”にこだわることで知られる川田騎手。3週にわたってお届けするアイテム紹介はついに最終回です。

今回はゼッケンやサドルパッドなど、レースの命ともいえる鞍に注目。普段は見られない部分まで紹介いただくほか、「僕が乗ると馬がすごく汗をかく」と言われる理由も解説! 数々の名騎乗を生んだ鐙の秘密や、道具への思いも明かします──。

(取材・構成=不破由妃子)

「僕は汗をかくこと自体はマイナスだと思っていません」


──さて、馬具&装備紹介ですが、いよいよ鞍周りに移ります。ここまでを振り返ると、採用している装備にはすべて明確な理由があって、“なんとなく”がひとつもない。そんななか、鞍周りはもっとも神聖な領域のような気がするので、すごく楽しみです。

川田 鞍はソメスサドルの既製品です。ちなみに、ゴーグルも普通に売っているものをそのまま使っています。

──自分専用の鞍を作らないのはなぜ?

川田 必要がないからです。鞍にもいろいろな種類がありますが、デビューして数年、いろんな種類の鞍を試しましたが、デビュー当初から持っていた今使っている鞍が一番使いやすい。それ以降、何の不自由もない。なので、ずっと同じものを使っています。

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▲川田騎手が20年近く使い続けている鞍。もちろん、同じ鞍を数十個持っていて、各競馬場に置いてある。(c)netkeiba


──こだわっているのは、鞍の下に敷くもの…鞍下パッド? サドルパッド? って言うんでしたっけ?

川田 そうですね。基本的に、みんなが使っているのはこのスポンジです。体重が重たいとき用の薄いものもあります。

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▲検量室の棚に積み重ねてあるスポンジのサドルパッド。ほとんどのジョッキーが、JRAが用意したこのサドルパッドを使っている。(c)netkeiba


──これを鞍の下に敷くわけですね。

川田 そうです。でも僕は、このみんなが使うスポンジではなく、素材がゴムのパッドを使っています。

──あ、ホントだ。ちゃんと“川田将雅”って名前が入っている。

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▲素材もそうだが、見た目からして全然違う川田騎手仕様のサドルパッド。(c)netkeiba


川田 海外で作ってもらっているんですが、いろいろサイズを試しながらオーダーするうちに、海外から届いた時点で名前が入っていた。「どう?」って聞かれたから、「いいですね、じゃあ全部名前を入れてください」と(笑)。もともとのサイズは、僕のロゴ入りのコレだったんですけど。短いでしょ?

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▲川田騎手のロゴが入っているのがもともとのサイズ。現在使っているものは、それより10cm近く長い。 (c)netkeiba


──ですね。それより、ロゴは自分で縫い付けた?

川田 いや、これは貼り付けただけです(笑)。このもともとのサイズだと、上から鉛ゼッケンを乗せたときに、鉛ゼッケンがはみ出るんですよ。それが嫌で、はみ出さないように長くしてもらった。

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▲上に乗っているのが鉛ゼッケン。ゴムのサドルパッドは、鉛ゼッケンより長くしてもらった特注品。(c)netkeiba


──なぜみなさんが使っているスポンジではなく、ゴム素材のサドルパッドにしたんですか?

川田 スポンジだと、

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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