過去10年で連対馬の8割が4~5歳馬
かつてはベテランのリピーターの快走が多く、「中山の1800mはスペシャリストの距離」と形容された時代があった。しかし、最近の「中山記念」は、ベテランではなく若い世代の天下。最近10年の年齢別成績は、
4歳馬と5歳馬の合計が連対馬の「8割」を占めている。ところが今年は出走馬16頭中13頭が6歳以上馬という不思議な組み合わせになった。
活躍が目立つ4歳、5歳馬はわずか3頭(エコロヴァルツ、クルゼイロドスル、シックスペンス)だけ。さすがに中山1800m向きのベテランは侮れないものの、近年のパターン重視なら主軸は4歳か5歳馬だ。
芝状態が良かったとはいえ、中山1800mの前走を1分45秒2(コースレコードと0秒3差)で快走した4歳エコロヴァルツはようやく軌道に乗って上昇中。好位抜け出しの正攻法で、右回り芝1800m3戦3勝。うち1勝はM.デムーロ騎手騎乗の新馬戦だった。中山1800mに1分45秒台の時計を持つのはこの馬だけである。
同馬の父ブラックタイド(24歳の今年も現役。ディープインパクトの全兄)の代表産駒というなら、文句なしにGI競走7勝キタサンブラック。その祖母の父は、直仔の活躍より牝系に入って強い影響力を発揮したジャッジアンジェルーチ(米ダート8F-9FのG1-G2 6勝を中心に22戦10勝)だった。同馬はアジュデミツオー(GI級5勝)、グレープブランデー(GI級2勝)などの母の父にも登場した
エコロヴァルツの5代母ウィローレイクは、ジャッジアンジェルーチの3代母である。同じ一族というだけで、ほとんど血のつながりはないに等しいが、ブラックタイドに、ジャッジアンジェルーチと同じ一族の組み合わせに注目したい。もちろん4歳シックスペンスも本線。5歳クルゼイロドスルも買うが、穴馬は復活気配の6歳パラレルヴィジョン。