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【弥生賞予想】「負けていない馬」の過去成績は?

  • 2025年03月04日(火) 12時00分
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以前ほど実績馬が出てこない傾向


 今週の弥生賞ディープインパクト記念にはナグルファル・ヴィンセンシオと「新馬・1勝クラス」の連勝馬が出走している。ブラックジェダイト・レディネスと新馬を勝ちたての1戦1勝馬もおり、「負けていない馬」が4頭ということになる。

 このような馬たちが3歳春の芝重賞に出走した場合の成績はどのようなものだろうか。弥生賞だけだと数が限られるので、1~4月に行われる芝1800m以上のGII・GIIIを対象にしてみたい。京成杯・きさらぎ賞・共同通信杯・弥生賞・スプリングS・毎日杯を対象とし、5月に跨ることもある青葉賞は除外した。2015年以降(今年既に終了した重賞については11年分)を集計期間とする。

 新馬勝ちたての1戦1勝馬については集計が簡単である。答えは[9-7-6-50]で、勝率12.5%・複勝率30.6%。回収率は単80%・複94%なのでまずまずというところか。前走で芝の新馬戦を1~2番人気で勝ってきた、という条件だと[8-7-3-24]で勝率19.0%・複勝率42.9%となり、回収率も単87%・複110%とやや高くなる。

 今回登録している2頭はともに条件を満たす。ただ新馬勝ち1戦1勝馬が弥生賞に出走した例はそもそも少なく、「芝で前走1、2番人気」まで条件にすると3頭のみ。その中からシュヴァルツリーゼが6番人気で2着している。

 2戦2勝馬は「新馬・オープン」と「新馬・1勝クラス」だとだいぶ意味が違うし、今回登録しているのは後者のみなので後者を調査の対象とする。

 先述した6レースのトータルだとこの組は[10-6-3-8]。勝率37.0%・複勝率70.4%で回収率が単165%・複110%と言うことなしだ。

 ただ、この条件を満たす馬が毎日杯だと該当7頭すべて馬券に絡んでいるのに対し、弥生賞では[0-1-0-4]。過去20年でも[0-1-0-6]と好走できていない。

 ここをどう解釈するかだが、個人的には気にしないでよいのではと考えている。というのも、弥生賞には以前ほど実績馬が出てこないからだ。今年も重賞勝ち馬はおらず、重賞2着馬もミュージアムマイルしかいない。さらに弥生賞より時期が遅いGIIであるスプリングSでは[3-1-0-0]とよく走っている。

「負けていない馬」にはやはり一定の敬意を払う必要があるのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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