以前ほど実績馬が出てこない傾向
今週の弥生賞ディープインパクト記念にはナグルファル・ヴィンセンシオと「新馬・1勝クラス」の連勝馬が出走している。ブラックジェダイト・レディネスと新馬を勝ちたての1戦1勝馬もおり、「負けていない馬」が4頭ということになる。
このような馬たちが3歳春の芝重賞に出走した場合の成績はどのようなものだろうか。弥生賞だけだと数が限られるので、1~4月に行われる芝1800m以上のGII・GIIIを対象にしてみたい。京成杯・きさらぎ賞・共同通信杯・弥生賞・スプリングS・毎日杯を対象とし、5月に跨ることもある青葉賞は除外した。2015年以降(今年既に終了した重賞については11年分)を集計期間とする。
新馬勝ちたての1戦1勝馬については集計が簡単である。答えは[9-7-6-50]で、勝率12.5%・複勝率30.6%。回収率は単80%・複94%なのでまずまずというところか。前走で芝の新馬戦を1~2番人気で勝ってきた、という条件だと[8-7-3-24]で勝率19.0%・複勝率42.9%となり、回収率も単87%・複110%とやや高くなる。
今回登録している2頭はともに条件を満たす。ただ新馬勝ち1戦1勝馬が弥生賞に出走した例はそもそも少なく、「芝で前走1、2番人気」まで条件にすると3頭のみ。その中からシュヴァルツリーゼが6番人気で2着している。
2戦2勝馬は「新馬・オープン」と「新馬・1勝クラス」だとだいぶ意味が違うし、今回登録しているのは後者のみなので後者を調査の対象とする。
先述した6レースのトータルだとこの組は[10-6-3-8]。勝率37.0%・複勝率70.4%で回収率が単165%・複110%と言うことなしだ。
ただ、この条件を満たす馬が毎日杯だと該当7頭すべて馬券に絡んでいるのに対し、弥生賞では[0-1-0-4]。過去20年でも[0-1-0-6]と好走できていない。
ここをどう解釈するかだが、個人的には気にしないでよいのではと考えている。というのも、弥生賞には以前ほど実績馬が出てこないからだ。今年も重賞勝ち馬はおらず、重賞2着馬もミュージアムマイルしかいない。さらに弥生賞より時期が遅いGIIであるスプリングSでは[3-1-0-0]とよく走っている。
「負けていない馬」にはやはり一定の敬意を払う必要があるのではないだろうか。