ミュージアムマイルの仕上がりは?
先週のチューリップ賞。追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプを重視して本命を決めましたが、結果は坂路単一調教が掲示板を独占。ウマい馬券のコラムで併せ馬の内容を評価したクリノメイが単勝39.3倍で勝利しました。しかも自己ベスト更新、このレース自体の勝ち時計はさほど速くありませんでしたが、追い切りスピードが重要な馬場かも知れません。桜花賞までこの馬場状態が続くかどうか、そこは毎週の結果を見て、見守っていく必要がありそうです。
今週は東西で重賞が3レース。中山芝1800mの中山牝馬Sに関しては、先週の中山記念で狙った通り、1週前追い切りのトラックウッドチップ馬場でマークした4F時計を基準に印を打つ予定。フィリーズレビューに関して、阪神芝1400mの調教適性を予想バイブル「調教のミカタ」で取り上げる予定です。
【中山牝馬S/シランケド】
中山競馬場は紫苑S3着という重賞実績があるので、3勝クラスを勝ったばかりでも人気になるかも知れません。ただ、2勝クラスの野島崎特別でも2着だったので、直線は急坂よりも平坦の方が現状はフィットするかも知れませんね。
調教内容に関しては、レース間隔があいていますが、追い切り本数は標準程度評価。ただ、気になるところを挙げるとすれば、このくらいのレース間隔があけば、2週前追い切りと1週前追い切りがCWですが、今回は1週前のみがCW。その4F時計が52.5秒ですから、軽視はできないものの、重視するほどの内容でもないことも確かです。

追い切り本数は標準程度評価なシランケド(3月4日撮影)
【フィリーズレビュー/ショウナンザナドゥ】
休み明けだった前走はデビュー以来最低体重の432キロ。やはりこの血統、前日輸送になると馬体を減らしてしまうような気性なのかなと思ってしまいます。今回はそこから中2週というローテーション。レース間隔が詰まるところがどうかですが、これは未勝利戦ですでに経験済みです。
その時に勝っているわけですから、当時の調教パターンを参考にしたいのですが、レース前週金曜日に1週前追い切りを坂路4F55.6秒で課しています。それが今回は追い切りがなく、週末の普通のところも4F70秒台と未勝利時よりも明らかに軽い調整。前走減った体重を戻すことを考えれば、これがベストかも知れませんが、調教内容的にはあまり評価できません。

未勝利時よりも明らかに軽い調整のショウナンザナドゥ(3月4日撮影)
【フィリーズレビュー/リリーフィールド】
函館ダート1000mで新馬戦を勝ち上がり、函館2歳Sは6着。秋になって、もみじSで京都芝1400mを勝っての阪神JFでしたが、先行して失速の12着でした。このローテーションからも今回の距離短縮がフィットするのは間違いないでしょう。
ただ、今回はレース間隔があいた割に追い切り開始が2月23日。その分、追い切り本数が少なく、2月27日のCWでの6F時計も85.0秒と遅め。過去に比較できるようなレースがないため、これで仕上がると言われてしまえば、それまでですが、こちらも調教内容として評価する部分はありません。

追い切り本数が少ないリリーフィールド(3月4日撮影)
【弥生賞/ナグルファル】
中7週だったエリカ賞が4本の追い切り。これはぎりぎり標準の追い切りをこなしたことになりますが、ちょっと少ないとは思います。それでも結果を出しているので、追い切り本数はあまり気にしなくてよいタイプかも知れません。
今回も決して追い切り本数が多いわけではありませんが、2月19日の坂路では4F52.9秒をマークして自己ベスト更新。1週前追い切りのCWでの3頭併せでは最先着しており、これは前走時の1週前追いのCW3頭併せ最遅とは違います。ここまでの調教内容から動ける状態にはありそうなので、あとは前日輸送や中山の初めての状況がどうかでしょう。

調教内容から動ける状態にあるナグルファル(写真奥、2月26日撮影)
【弥生賞/ミュージアムマイル】
前走、朝日杯FSはデビュー戦以来のマイル。やはり距離が短かったと思いますし、本質的には中距離タイプというのが、前走の坂路での最終追いの併せ馬の動きを見た感想でもありました。ゆえに今回こそ真価を発揮する舞台だと思いますし、そこに向けて、1週前追い切りがCWで併せ馬を課したという内容も良かったと思います。
幸英明騎手が跨り、3歳1勝クラスを追走しましたが、楽に先着して6F79.9秒。抜け出してから気を抜くところはあったように見えましたが、私はそう捉えず、単純にこれ以上走る必要がないと利口に判断したからという仕草だと判断。ただ、最終追い切りが坂路で4F57.5秒というのは少し遅いかなというのが正直な印象です。

利口に調教をおこなったミュージアムマイル(3月4日撮影)
◆注目の未勝利戦
・3/2 【エバーグルーヴ】(10人/1着) 将来有望調教該当<5頭>
将来有望調教の該当馬が5頭出走していて、うち4頭が2着から5着。それらを抑えて勝ち切ったのが本馬でした。デビュー戦では将来有望調教に該当していませんでしたが、2戦目の今回が栗東坂路の将来有望基準の時計をマーク。2戦目の追い切りで時計をクリアして、将来有望調教を負かしたケースは出世することが多々あり、そういった意味で覚えておいて欲しい1頭です。
◆開催おすすめの調教適性
<中山芝2000m>
◎調教タイプが馬ナリ平均
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
☆週末坂路4F56.4秒以下かつ4F目12.9秒最速ラップで最終トラW4F53.9秒以下かつラスト1F11.9秒以下最速ラップ
先週から開幕した中山開催。芝2000mは初日の未勝利牝馬限定しかありませんでしたが、8番人気2着が◎◎のベストな調教適性にダブル該当でした。ただ、このレースの1着馬が週末追い切りが美浦坂路で4F55.2秒で4F目12.4秒の最速ラップを踏み、最終追い切りが美Wで4F53.6秒のラスト1F11.7秒で最速ラップ。昨年の弥生賞もこのパターンに該当している馬が1着でしたから、これもベストな調教適性として加えました。