【弥生賞予想】再びロングスパートの可能性 前走17番人気の伏兵に注目
クロワデュノールに0.5秒食い下がった心肺機能
この弥生賞ディープインパクト記念をステップに約1カ月半後の「皐月賞」を制したのは2010年のヴィクトワールピサが最後。それ以降、2月の共同通信杯からの直行馬が7勝。12月のホープフルSから直行馬が2勝するなど、間隔を空けた馬の快走が連続し、皐月賞に挑戦するスケジュールは大きく変化している。
ただ、トライアルとしての関連は途絶えているわけではなく、2011年以降、弥生賞から皐月賞を2、3着した馬は計11頭も存在する。
伏兵ファウストラーゼン(父モズアスコット)に注目したい。同馬が3着した12月のホープフルSの2分00秒5は、前半かなり落ち着いた流れなのに、レース史上2位の好時計だった。レベルは低くない。勝ったクロワデュノールは目下候補No.1だ。
ファウストラーゼンは出負けしたわけではなく、互角のスタートを切ったが、両脇の馬に激しく挟まれて下がってしまった。前半1000m通過61秒4の地点では後方16~1️7番手の追走。目測だが先頭から2秒近くの差があった。そこから猛然とスパートすると約1ハロンほどの間に3角手前ではもう先頭に並び、さらに逃げていたジュンアサヒソラ(12着)とともに離してピッチを上げ、4角では勝ったクロワデュノールより4馬身も前に位置する先頭だった。スパート開始地点から4コーナーまでのファウストラーゼン自身の道中3ハロンは推定33秒台前半の猛スピードになる。前半1000m「63秒4」と仮定すると、そこからの2ハロンはあくまで推定「21秒6」、そして自身の上がりは「36秒0」。後半57秒6。それで2分01秒0になる。
奇襲にも近いロングスパートで0秒5差に粘った心肺機能(スタミナ)はすごい。芝とダートのGI馬の父モズアスコットはマイラーだったが、その父フランケル(ガリレオ産駒)は7Fから10.5Fまで14戦14勝の歴史的名馬。かつ、やがてチャンピオンサイアー。母方も底力ある名牝系。ホープフルSの内容からファウストラーゼンにスタミナ不安はない。
今回のレース内容をとても推測、計算できるタイプではないが、中団追走から、切れる馬ではないので再び痛快なロングスパートをかけてくれる可能性はある。単・複中心中心に手広くいきたい。