
▲返し馬で馬体が並んだ時点で感じた圧力とは…(撮影:稲葉訓也)
オケマルとベラジオドリームの初対決に注目が集まった兵庫若駒賞。終わってみれば、オケマルが2着馬に2秒以上の大差をつける圧勝劇で、ペースを握ったベラジオドリームは3着に終わりました。小牧騎手もこの完敗という結果に、「路線を変えていかなアカンね」と路線の見直しに言及。今後はベスト条件を模索することになりそうです。ベラジオは残念だったものの、先週も3日間で5勝をマークした小牧騎手。今週から園田に舞台が替わり、ますますの快進撃に期待しましょう!
(取材・構成=不破由妃子)
兵庫若駒賞は3着「オケマルは話にならんくらい強かったわ」
──先週木曜日の兵庫若駒賞は、1番人気のオケマルが2着を2秒以上突き放しての大差勝ち。小牧さんのべラジオドリームは3着。まさかあんなに離されるとは…。
小牧 あれだけ相手が強かったら、もうどうしようもないよね。何も言われへん。もう話にならんくらい強かったわ。レース以前に返し馬でね、馬体が並んだ瞬間があったんやけど、その時点で「これは無理かも…」と思ったわ。オケマルが484キロ、べラジオが479キロで5キロしか違わんのに、馬体の張りが全然違ったもん。
──確かに、パドックでもオケマルの馬体はひと際目を引きました。マッチョですよね。
小牧 そうやね。レースもね、2コーナーを回った時点で馬が苦しがってたわ。ずっとオケマルを気にしながら走っていたし、距離適性からいっても、本来は短いところのほうがいい馬やから。思い通りの調教ができて、状態もよかった。僕としても、何のミスもなく思った通りに乗れた。それでいて、あそこまで離されてしまったからね。あれだけ能力の違いを見せつけられたら、もう納得や。今後は路線を変えていかなアカンね。
──短距離にシフトするということですか?
小牧 そういう話になってますわ。だって、オケマルと一緒に走っても勝てへんもん。向こうはむしろ、1800mとかのほうがいいんやろうからね。まぁ馬主さんや調教師(諏訪貴正調教師)ともよく相談して決めますわ。
──では、気を取り直してそのほかのレースを。水曜日のメインレースを勝ったアキュートガールは強烈でしたね。途中から先頭に立って、最後は8馬身差の圧勝。
小牧 もともと走る馬やけど、勝てない時期もあって。ここにきて、やっと走り出した感じやね。やっと能力が発揮できた。数字上は1キロしか減っていなかったけど、今回は僕がビッシリ調教をしたからか、馬体も締まってきた。あの馬はこれからもちょっと楽しみです。今度は佐賀に行くみたいよ。
──当然、小牧さんが乗るんですよね?
小牧 そのつもりです。調教師の尾林は、教養センターの同期やから。やっぱり一緒に勝てるとうれしいもんやね。
──あとは、木曜日の10Rを勝ったエイシンテムジン。着差こそアタマ差でしたが、2着馬と大接戦になったゴール前で、勝負強さが光りました。
小牧 強かったね。でもね、2着のゴールドレッグスという馬は、先頭に立つと遊ぶ馬やねん。去年の後半は僕が乗っていたから、そういう癖を知っていた。重賞でも2着にきているような馬やから能力は高いんやけど、とにかく先頭に立つとソラを使う。
──そうなんですね。最後、小牧さんが腕を伸ばして頭を上げさせないようにしていたから、「さすがだなぁ」と思いながら見ていたのですが。
小牧 いや、今回もソラを使って、最後は完全にやめてたよ。だから、僕のエイシンテムジンが勝った。とはいえ、これで7連勝やからね。今回はちょっとメンバー的に厳しいかなとも思ったんやけど、最後までしっかり伸びてくれました。
──さて、今週からは園田開催に戻ります。そこで、ファンの方からこんな質問が。「こんにちは。いつも応援しています。園田、姫路と乗ってこられて、園田より姫路が合う馬、姫路より園田のほうが合う馬など、小牧騎手が感じたことがあれば教えてください」
小牧 やっぱり輸送が苦手な馬がいるんやなと思ったわ。それで馬体重が極端に減ってしまう馬とか。そういうタイプは力を出せんね。
──馬運車だと2時間くらい?
小牧 たぶんそのくらいやね。園田で3連勝していたリュウノブレイクも、姫路では2着、4着。輸送の影響だと思うんやけど、園田のときと全然走りが違った。そういう馬が何頭かいました。園田に戻って改めてやね。そういえば、明日(3月10日※この取材は日曜日に行いました)は送別会があるねん。
──どなたの送別会ですか?
小牧 僕の送別会。
──小牧さんの? あ、もしかしてJRAのですか?
小牧 そうやねん。関西騎手クラブが主催で、みんなの都合が合う日を探してくれた結果、明日の昼間になった。関西のジョッキーは、ほぼ全員きてくれるよ。
──それは楽しみ!
小牧 僕も楽しみや。とはいえ、僕は7時までに調整ルームに入らなアカンから、飲み過ぎないようにせんと…(苦笑)。来週、おもしろい報告ができるように、精一杯楽しんできますわ。
(文中敬称略)