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【金鯱賞など予想】デシエルトら有力候補の状態は? 出走馬の調教内容ジャッジ

  • 2025年03月12日(水) 18時00分
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プログノーシスの昨年との違いは?


 先週の3歳クラシックトライアルレース。フィリーズレビューはショウナンザナドゥ、弥生賞はファウストラーゼンが勝ち、どちらも将来有望調教の該当馬が勝利となりました。最近は競馬場にいても「将来有望調教、すごく役立っています。ありがとうございます!」と声を掛けてくださる方が多く、すごくうれしく思っています。

 デビュー戦をチェックすれば、簡単に分かる将来有望調教ではありますが、予想をタイトに行う方にとっては、その該当馬を瞬時に知りたいものですよね。よって、今週からのウマい馬券では3歳のオープン特別、重賞では冒頭で将来有望調教の該当馬を列記しておくようにします。今週ならアネモネS、スプリングS、昇竜S。気になる方は、ウマい馬券をチェックしてみてください。

【スプリングS/キングスコール】

 冒頭で将来有望調教について触れましたが、ちなみに本馬は該当していません。それには意外な理由があって、デビュー前に美浦か栗東のトレセンへ入厩しないことには将来有望調教の対象となる馬場で追い切ることができないというもの。札幌での追い切りのみでデビューしたことが将来有望調教に該当していない最大で唯一の理由です。

 今回は栗東に在厩しての調整。1週前追い切りのCWでは6F82.5秒、3F36.9秒、1F11.5秒の時計をマークしているので、やれば動く馬であることは間違いないでしょう。ただ、札幌当時のイメージと違って追わせる走りなので、これが休み明けだからか、季節的なものだからか、このあたりの判定が難しくなっています。最終追い切りのCWでのゴール前の反応もひと息に見えました。

調教Gメン研究所

最終追い切りの反応もひと息に見えたキングスコール(3月11日撮影)


【スプリングS/マテンロウバローズ】

 こちらはデビュー戦で将来有望調教に該当。1月9日のCWで6F81.6秒、3F36.8秒、1F11.4秒をマークして、ポテンシャルの高さを見せていました。その時計通りの2連勝。あとは距離が1F延長となる重賞でどうかという点でしょう。

 前走から中3週ですが、追い切り本数はしっかりと消化。1週前追い切りのCWでは古馬3勝クラスを追走して最後は遅れてしまいましたが、4コーナーから最後の直線に向くところでは楽に交わしていきそうな手応え。持ったままで並びかけようとしますが、相手が追い出して加速すると、少しそれに遅れてしまいました。この動きからあまり瞬発力があるタイプではなく、自分の形で加速してしまう方が向いているのでしょう。ただ、最終追い切りのCWでの併せ馬は反応が良く、先週より今週の方が活発には動いています。

【金鯱賞/デシエルト】

 安田翔伍厩舎へ移ってからもCWでの追い切りを消化していた時期もありますが、坂路単一に替えて、芝路線になって、成績が安定してきた印象。追い切りの内容も前半と後半でめりはりをつけるような時計の踏み方になっていて、馬自体もそれに馴染んできたという印象を受けます。

 最終追い切りの坂路でも前半は14.7秒から14.0秒。騎乗していた安田景一朗調教助手も大変そうでしたが、このあたりは慣れたもの。後半は12.8秒、12.8秒と4F目最速は踏めなかったものの、この馬らしい持続ラップ。追い切り本数もしっかりとこなしており、体調面に関しては何ら心配ないと思います。

調教Gメン研究所

めりはりをつけるような時計の踏み方になったデシエルト(3月11日撮影)


【金鯱賞/プログノーシス】

 昨年の覇者。ということで、比較する調教内容は昨年になりますが、まず、1週前追い切りのCWでの6F時計が昨年と今年では大きく違います。昨年は83.2秒だったのに対して、今年は77.9秒。数字だけ見ると、すごく負荷をかけた印象ですが、実際の追い切りを見た印象としては、西村淳也騎手が馬の気持ちを優先して走らせた結果、この時計が出たという印象。気分よく走ることができていたと思います。

 そして、最終追い切りは昨年がCWだったのに対して、今年は坂路。実は2023年の金鯱賞も勝っていて、その時の最終追いが坂路でした。よって、その点は全く問題ありません。当時は4F目最速ラップを踏んでいて、今年はそれが踏めなかったというところはありますが、そこを気にするかどうか。調教内容として、あまり評価を下げるところはないと思います。

調教Gメン研究所

気分よく走ることができていたプログノーシス(3月11日撮影)


【金鯱賞/クイーンズウォーク】

 前走の小倉牝馬Sの6着をどう捉えるかという部分だと思いますが、3ヶ月あいていたとはいえ、小倉までの輸送があって10キロ増えていた馬体重は少し重たかったのかも知れません。

 今回はレース間隔が詰まっていますし、1週前追い切りもCWで速い6F時計をマーク。最終追い切りは坂路かと思いましたが、意外にCW。6F91.6秒と全体は遅く、ラスト2Fが23.0秒。時計は必要なかったけど、馬場はトラックがベストだったのかもしれません。見た目には決して太くは映りませんが、気になる方は馬体重のチェックをしてみるのがよいかも知れません。

調教Gメン研究所

最終追い切りはCWがベストだったように映るクイーンズウォーク(3月11日撮影)


◆注目の未勝利戦

・3/8 【ジーティーダーリン】(1人/1着) 将来有望調教該当<2頭>

 勝ち馬は将来有望調教の該当馬。もう1頭の将来有望調教も人気していましたが、逃げて5着。ちょっと距離が長かったかも知れません。本馬は休み明けで追い切り本数が少なくてもこの結果。次走はもっと上昇してくると思います。

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝1800m>
◎1週前追い切り以降トラックウッドチップ馬場で4F52.5秒以下
◎1週前追い切り以降併せ馬追走先着
◎調教タイプが馬ナリ平均(牝馬限定)

 予想バイブル「調教のミカタ」でも取り上げたように、中山芝1800m重賞は1週前追い切りのトラックウッドチップ馬場での4F時計が重要。先週の中山牝馬Sでも1着、2着、3着すべてこれに該当していました。今週もこれは重要だと思いますが、スプリングSに関しては追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプというのもひとつ重要なファクターになります。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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