【スプリングS・金鯱賞】一長一短のメンバー構成 昨年に似たスローペースとなるか
2戦2勝のマテンロウバローズに期待
スプリングステークスは一長一短のメンバー構成で混戦模様だ。春のタイトルをめざす3歳馬の路線が様々になった今は、手頃な頭数になることが多くなった。中山の内回りの1800米、極端にペースが速くはならないだろう。昨年は10頭立てで1000米が63秒1のスローペースで、上がり3ハロン33秒7の瞬発力勝負になっていた。勝ったシックスペンスは3番手で折り合い、残り200米で一気に抜け出し3馬身半差の圧勝、無傷の3連勝で重賞初制覇を飾っていた。
今年も似たようなレースになりそうだ。
まずは2戦2勝のマテンロウバローズを。新馬戦、こぶし賞とマイルだったが、意のままに動いてゴーサインに俊敏に反応していて、ゴール前でせり勝つ勝負根性は光っていた。折り合い面に不安はなく、父がダービー馬で祖母がオークス馬レディパステルという血統背景から、距離が延びた方がいい。この先々で注目し続けたい馬と期待したい。
キャリア一戦だけという馬は、これまでここでは苦戦しているが、今年の2頭は少し違うような気がする
札幌の新馬戦1800米を、ソダシが札幌2歳Sで記録したタイムを0秒4更新して2歳コースレコードをマークして勝っていたキングスコール。その後軽い骨折があり8か月ぶりの実戦だが、3馬身差で勝った初戦からみて、いきなりでも狙いたい。展開をリードできる馬だ。
同じくキャリア一戦のダノンセンチュリーも魅力ある。東京の新馬戦1800米を、1000米63秒2のスローペースでもピッタリ折り合い、ステッキも入れず逃げ切っていた。これも展開面で面白く、2戦目でどんな成長した姿を見せるか、その可能性に賭けてみたい。
そして、4戦目のピコチャンブラックを。ホープフルSの大敗が気になるが、多頭数の外枠でいかにもレースがしにくそうだった。デビュー戦2000米を7馬身差で逃げ切った素質、アイビーSで後に共同通信杯を勝つマスカレードボールに0秒2差の2着で走っており、成長力のあるキタサンブラックの血を引いている点に注目してみたい。
金鯱賞は少頭数ながら重賞勝ち馬が6頭もいて、なかなかの好カードだ。中京の2000米はタフなコースで、前半の流れが落ち着くかわりに、3角手前からスパートして長くいい脚を使わなければならない。どの馬も先をにらんで戦うので予想はしにくいが、昨秋毎日王冠2着、天皇賞(秋)を逃げて3着のホウオウビスケッツを、57キロでコンビ復活で狙ってみたい。
芝に戻って連勝中のデシエルトの先行との兼ね合いになるが、ベテラン騎手の駆け引きは見所十分。前残りを考えつつ、2000米なら連覇中のプログノーシス、前走で牡馬相手に重賞を勝ったラヴェルの成長力、クイーンズウォークの巻き返しを。
「持ち味の 粘り強さで この次も」