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【大阪杯など予想】今週末は国内外でビッグレース開催 有力馬たちの調教内容をジャッジ

  • 2025年04月02日(水) 18時00分
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連覇を狙うベラジオオペラの状態は?


 今週末は日本とドバイでビッグレースが行われます。ドバイワールドカップデーは馬券発売対象が4レース。非常に盛り上がりそうですが、調教メインの私にとっては予想材料が乏しくなってしまい、いつものことながら、ウマい馬券での予想提供はできません。それゆえに日本で行われるレースに全力投球です。

 大阪杯は乗り替わりが多くなることも含めて、混戦となりそう。昨年、調教適性として重視したのが「14頭立て以上」ということで追い切り本数の多い調教タイプでしたが、それに該当した馬が3頭しかいない中で2着ローシャムパーク、4着ステラヴェローチェでした。今年もこれを重視して本命を選ぶべきかどうか、まずはそこから悩んでいます(笑)。
【ダービー卿CT/メイショウチタン】

 東京新聞杯、中山記念ともにハナにこだわった競馬で3着と6着。京都金杯で+18キロだった馬体重が絞れながら、重賞でも結果を出すことができています。前走は中2週で追い切りが1本しかなく、事前予想では凡走すると思っていましたが、あそこまでしっかり走ることができたのは、最終追い切りの坂路での後半2Fラップが12秒台だったところにあるかなと思います。

 今回は中4週で坂路での追い切りが3本。本数的にはこれで十分ですが、最終追い切りが坂路で後半2Fが12.3秒、13.0秒。この減速は少し大きい気がするので、4F51.5秒と全体時計が速くなってはいますが、今回は過去2走とはちょっと違うかなという気がします。

【チャーチルダウンズC/アルテヴェローチェ】

 サウジアラビアRCから2ヶ月半ぶりだった朝日杯FSは14キロの馬体増。1週前追い切りのCWでは速い時計が出ていたものの、併せ馬で遅れたところがちょっと物足りなかったかもという感じで捉えています。そこから中3週のシンザン記念は追い切り本数が多くて、馬体重も10キロ減って2着。これが本来の力かなと思います。

 今回はレース間隔はあきましたが、追い切り本数がたっぷり。その効果なのか、1週前追い切りの坂路では4F50.3秒をマークして、自己ベストを更新。にもかかわらず、4F目12.1秒の最速ラップを踏んでいて、スピードのバランスは文句なしでした。最終追い切りは同じ4F50.3秒でしたが、これは4F目が減速。ここがどんな動きだったかは、あらためて調教VTRで確認するつもりですが、基本的には評価すべき調教内容です。

調教Gメン研究所

追い切り本数がたっぷりなアルテヴェローチェ(4月1日撮影)


【チャーチルダウンズC/ランスオブカオス】

 朝日杯FS3着に続いてのきさらぎ賞3着。新馬勝ちも含めると、デビューから3戦はすべて京都競馬場でした。今回が初めての阪神競馬場。今回の追い切りも含め、坂路で時計を出すことが少ないタイプなので、調教内容的に条件が好転するという印象はありません。

 ただ、調教パターンとしては前走とほぼ同じ。CWでしっかりと併せ馬を消化していて、最終追い切りでも併せ馬は追走先着。ラップの踏み方も前走の最終追いとよく似ていると思うので、状態は近走と変わらないと思います。ですから、ここ2戦の実績をどこまで評価するか、それに尽きるでしょう。

【大阪杯/ベラジオオペラ】

 昨年の覇者。昨年は京都記念2着からのローテーションでしたが、今年は有馬記念からの休み明け。追い切りの本数はしっかりとこなしているので、個人的には着実に良くなっていると感じていましたが、厩舎の手応えとしてはやや不足なところがあるようですね。だからこそ、1週前追い切りのCWでも併せた相手を一気に突き放したのに、追いつかれそうになったのかもしれません。

 また、3月30日のCWでは3頭併せでしっかり負荷をかけています。週末追い切りがCWというのは珍しいので、ひょっとしたら今回は休み明けでまだ太目が残っているのかもしれません。最終追い切りのCWでの動きを見ても、それは感じませんでしたが、追い切りでは良く見せるタイプ。それだけに主観だと高く評価してしまうので、今回は調教内容全体を精査した上で評価する必要があるようにも思います。

調教Gメン研究所

調教内容全体を精査した上で評価する必要があるベラジオオペラ(4月1日撮影)


【大阪杯/ロードデルレイ】

 1週前追い切りのCW。西村淳也騎手が跨って単走でしたが、向正面から速いラップ。一見すると折り合いを心配するようなスピードでしたが、折り合いがついた状態でこの馬のスピード能力を開放するような素晴らしい追い切り。5F63.3秒でしたが、この時計が中距離での能力の高さを示しているように思います。

 今回の最終追い切りはCW。先週とは違い、前半がしっかりと抑えられていて、折り合いもついて、最後の直線が11.3秒から11.1秒。この緩急のついた内容はもちろん評価できます。ただ、白富士S以降は最終追いが坂路というパターンですし、もちろん前走も坂路。この変化がどう出るかでしょう。

調教Gメン研究所

最終追い切りをCWに変化させてきたロードデルレイ(4月1日撮影)


◆注目の1勝クラス

・3/29 君子蘭賞【ルクスジニア】(1人/1着) 将来有望調教該当<3頭>

 未勝利を勝ったばかりでしたが、1番人気の支持。勝ち上がるのが遅かっただけで、さすがは将来有望調教のダブルに該当している馬です。逃げることで戦法も確立できましたし、いよいよ重賞挑戦といったところでしょう。

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1600m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切りがトラックW馬場でラスト2F11.9秒以下
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 先週の六甲Sは◎CWでラスト2F11.8秒、11.7秒のラップを踏んだ単勝9番人気が勝利。1分32秒2という時計の速い決着がこの調教適性が有利になった要因だと思います。チャーチルダウンズCのレース当日は雨も考えられるだけに、そうなると坂路かもしれませんが、このレースは3歳限定重賞ということもあるので、将来有望調教も気になるところです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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