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【大阪杯】ベラジオオペラが連覇達成 レコード大幅更新の高速決着に

  • 2025年04月07日(月) 18時00分
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阪神競馬場では4戦4勝


重賞レース回顧

大阪杯を制したベラジオオペラ(c)netkeiba


 前日の古馬2勝クラスの芝1800mが1分45秒2(上がり33秒1)、この日の古馬3勝クラスの芝1600mが1分32秒3(上がり33秒7)。高速だった阪神の芝レース(この週からBコース)は、この時期とすると超高速の芝コンディションだった。

 2連覇を達成した5歳ベラジオオペラ(父ロードカナロア)の走破時計は、昨年の自身の勝ちタイム1分58秒2を実に2秒0も短縮する「1分56秒2」。従来のコースレコード1分57秒2を、一気に1秒0も更新する快レコードとなった。

 この馬場が味方した馬も、また、予測以上の高速決着になって不利だった馬もいるが、昨年より一段とパワーアップしたベラジオオペラの充実は高く評価したい。

 スタートで出負けして途中からハナに立ったデシエルト(父ドレフォン)の前半1000m通過は57秒5。もちろん厳しいペースだが、離れた好位4番手で流れに乗ったベラジオオペラの1000m通過は推測58秒8-9前後か。時計勝負となった2000mでは理想のペースで、先行馬を射程に捕えた4コーナー手前でもまだ手応え十分。余裕を残していた自身は後半1000mを57秒4前後でまとめたことになる。

 レースのイメージは、ハイペースだった前走の金鯱賞を2番手から抜け出して2着を確保した「ホウオウビスケッツ(父マインドユアビスケッツ)を見る形で…」だったと思われるが、レース中盤からはその読み通りの展開だった。着差は1馬身だが、まさに描いた通りの完勝だった。4代母アイドリームドアドリームから発展するファミリーは、エアシャカール、エアシェイディ、エアスピネルなど、きわめてタフな成績を残すことで知られる牝系。これで[6-1-1-4]。キャリアは浅く、まだまだスケールアップが望める。

 この後の展望は6月の「宝塚記念」と思われる。阪神の芝は[4-0-0-0]、暑さは苦手といわれるが、2200mの距離は守備範囲だ。

 2着に突っ込んだのも同じロードカナロア産駒で、同じ5歳のロードデルレイ。長い休養があったのでまだ[6-3-0-1]。オープンに出世して以降、休みを挟みながら「1、2、2、1、2」着。まだ底を見せていない上がり馬で、ファミリーがタフな成長力を発揮するのはベラジオオペラと同じ。一族の代表ダノンバラードは2013年の「宝塚記念」をゴールドシップの2着している。今回の2着で完全に軌道に乗ったとみていい。

 3着ヨーホーレイク(父ディープインパクト)も、屈腱炎で2年以上のブランクを乗り越えただけでなく、そのあとも休養期間を取りながら復活したから素晴らしい。今回はスタートで出負けし、前半は流れに乗れず後方追走の苦しいポジション。だが、好位組が直線も伸びた高速決着のなか、最後方近くから上がり最速タイの33秒5で馬群を切り裂いて突っ込んだから見事。陣営は「宝塚記念」で初GI制覇を展望する。数多くのオープン馬を輩出しながら、どうしてもGIには手が届いていないクロウキャニオン産駒だが、屈腱炎を克服したヨーホーレイクが大仕事をするかもしれない。

 1番人気のシックスペンス(父キズナ)は好スタート。レース中盤から勝ったベラジオオペラと前後する位置にいて直線も伸びていたが、残り1ハロンで脚さばきが鈍ってしまった。勝って不思議ない絶好の位置にいただけに最後に鈍ったのは残念。中山記念を快レコード勝ちの反動はなかったはずだが、息の入れにくい 2000mは苦しかったか。中山記念でハナ差の好勝負だったエコロヴァルツ(父ブラックタイド)は大接戦の3着争いに加わっている。2000mはベストの距離より1ハロン長いのかもしれない。

 好気配に期待したジャスティンパレス(父ディープインパクト)は、追ってからの反応の遅さをカバーしようと早めのスパートは正解と見えたが、ちょっと勝ちみに遅いところからくるレース運びの難しさが出てしまった。

 3番人気のステレンボッシュ(父エピファネイア)は、特に不利はなかったと思えるが、直線に向いたあたりで手応えを失った。故障ではないと思えるが、牝馬だけにこういう微妙な一面もときにはあるのだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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