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【桜花賞など予想】栗東滞在で調整をしているエンブロイダリーの仕上がりは? 調教内容をジャッジ

  • 2025年04月09日(水) 18時00分
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今年も複数の関東馬が栗東滞在で調整


 大阪杯はボルドグフーシュとヨーホーレイクの本命選択で前者を選び、ウマい馬券の予想は外れてしまいました。ただ、勝負どころから最後の直線に向くところのボルドグフーシュの進路選択がもう少し違った形なら、違った結果になっただろうというのが個人的な感想。馬の具合は本当に良さそうだっただけに、悔しい気持ちでいっぱいですが、これは今後の予想で返上していくしかありません。

 さあ、桜花賞。阪神競馬場で行われるということもあり、今年も美浦所属馬が栗東滞在。しかも、netkeibaの予想オッズでは1番人気のエンブロイダリーが滞在ということで、栗東で取材する私にとっては本当に有難いこと。この状況において、桜花賞の予想を外すことは許されません(笑)。

【ニュージーランドT/アドマイヤズーム】

 朝日杯FSを制してGIホース。過去の友道康夫厩舎なら、ここを勝って皐月賞へトライした馬がいるだけに、クラシック路線が視野に入らなかったのか気になりました。それを友道康夫調教師に聞いてみると、やはり適距離がマイルという判定のようです。また、前哨戦なら先週のチャーチルダウンズCもあったはずですが、ここはすでにコメントにも出ているように、先を見据えて輸送を経験させたかったとのこと。さすがはGのつくレースで結果を出し続ける厩舎です。

 この中間は基本的にCWでの追い切り。その雰囲気は2歳時に比べると随分と良くなった印象でしたが、1週前追い切りのCWは本当に抜群でした。気性的な難しさがある馬でしたが、先週の併せ馬を見るかぎりはそのあたりも修正してきているようですし、追い切り本数も十分消化しています。脚質的にも中山マイルはフィットしそうです。

【阪神牝馬S/ボンドガール】

 東京新聞杯以来のレースになりますが、美浦でしっかりと追い切りを消化した後に栗東へ移動。秋華賞2着時は美浦で調整しての輸送競馬でしたから、今回が初めての栗東滞在となります。

 美浦では嶋田純次騎手に追い切りを手伝ってもらっていたこともあってか、4月2日のCW1週前追い切りには藤懸貴志騎手が騎乗。美Wと同じく、半マイルから時計を出して、4F52.1秒をマークしました。最終追い切りは坂路。これもジョッキーが跨って、後ろからブラウンラチェットが追いかけてきます。といっても、併せ馬ではなく、1頭ずつが隊列のような追い切りで馬なりの調整。このパターンは美浦の時に似た形なので、栗東に滞在して前走と同じようなパターンで仕上げたというイメージでよいと思います。

【阪神牝馬S/タガノエルピーダ】

 キャリア1戦の身で朝日杯FSを3着した素質馬が前走、ようやく3勝クラスを勝利。前走は京都マイルでしたが、朝日杯FSが阪神マイルですから、この舞台だからといって減点になることはないでしょう。

 少しレース間隔はあいていますが、前走以上に併せ馬の負荷が強くなっています。1週前追い切りのCWは6F84.2秒と全体時計こそ速くありませんでしたが、併せた相手が3歳OPのドンパッショーネとクロワデュノール。それらに最先着した動きは素晴らしかったですし、最終追い切りのCWではクロワデュノールに遅れましたが、これは相手が動いただけ。中間に坂路追い切りがない点は調教適性として割引ですが、それ以外は評価すべき内容です。

調教Gメン研究所

前走以上に併せ馬の負荷が強くなったタガノエルピーダ(4月8日撮影)


【桜花賞/エンブロイダリー】

 美浦所属馬ですが、栗東滞在。3月23日に美浦坂路で4F55.5秒、3月26日に美Wで5F65.7秒をマークしての栗東移動ですから、放牧から帰ってきた状態がよほど良かったのかなという感じがします。そして、栗東へ移動してからも順調に追い切りを消化しています。

 1週前追い切りとなる4月3日はCWでの併せ馬。初めてのCWでの追い切りでしたが、落ち着いた様子で駆け抜けて、併せ馬はきっちり追走先着。6F81.7秒、3F35.5秒、1F11.1秒はいくら時計の出る馬場状態だったとはいえ、文句なしの数字。というか、やはりポテンシャルの高い馬だからこそ、簡単に時計が出るのでしょう。

 最終追い切りは坂路でJ.モレイラ騎手が騎乗。タイセイフェスタを追走する内容でしたが、少し気持ちが高ぶっているのかなと思う仕草もありましたが、そこはジョッキーがうまくなだめます。軽すぎずやりすぎずの4F53.5秒。調整に関しては、ほぼ万全といった感じです。

調教Gメン研究所

調整に関しては万全な状態のエンブロイダリー(4月8日撮影)


【桜花賞/エリカエクスプレス】

 デビューから無傷の2連勝。今回は1月以来のレースになりますが、フェアリーSも3ヶ月ぶりだったので、休み明け自体は全く問題ないと思います。ただ、当時に比べると追い切り本数が少ない、それが今回になります。

 また、1週前追い切りがCWで3頭併せだった前回に対して、今回は単走。気性的に勝ったところが出てきているのかもしれません。普段の調整でも馬が少ない時間帯に乗っていたりするので、気持ちの面で難しさがありそうな印象を受けます。もちろん、1週前追いのCW6F78.3秒、3F34.8秒は破格中の破格。しかも、あの素軽い動きでこの時計が出てしまうわけですから、スピードの能力値は相当なもの。あとはフルゲートのGIで力を出せるかどうかです。

調教Gメン研究所

スピードの能力値は相当なものを持つエリカエクスプレス(4月8日撮影)


◆注目の1勝クラス

・4/5 山吹賞【ジュンライデン】(4人/5着) 将来有望調教該当<1頭>

 陣営もGIを意識するような期待馬。休み明けの前走をひと叩きして変わっているはずでしたが、個人的には道中のポジションがこの着順になったと思っています。これは乗り替われば、もっと能力を発揮できるはずです。

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝1600m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
◎最終追い切りがトラックW馬場を馬なりでラスト1F最速ラップ
○最終追い切りがトラックW馬場4F51.9秒以下

 先週のダービー卿CTは◎◎の該当馬が1着2着。ウマい馬券で本命を打ったゾンニッヒは5着でしたが、11番人気ということを考えると、CWでの追い切り割合が増えて、標準併用の調教タイプだったことが好走に繋がったと考えてよいでしょう。ということで、今週の中山マイルも併用系統は重要になりそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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