こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、中山競馬場で行われる皐月賞(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
天気がとにかく重要
春の中山開催最終日に行われる皐月賞。中山競馬場は前年の11月から2月の東京開催を挟んでほぼ休みなく4月まで使われるため、毎年皐月賞が行われる時期には馬場にダメージが蓄積した状態。
特にコーナーの内部分は悪くなりやすく、そのため特に雨が降って馬場に水分が多く含まれるようだと外有利に振れ、内枠が不利になりやすいしコーナーで差を詰めやすいので差しも決まりやすい。
ただ時期的に気温も上がりやすくなっているだけに、前週まで馬場が悪くても好天続きならあっさり馬場は回復する。昨年も前週重馬場での開催となり馬場状態は荒れていたが、週中好天が続いて気温が上がったことで皐月賞は1.57.1のレコード決着となった。
直線が短いコースだけに、昨年のように決着時計が速くなるとペースが流れても後方の馬はどうしても間に合わず、速いペースを追走する能力が重要になる。
つまり2000mよりもっと短い距離でも勝負になるようなスピードが必要ということで、朝日杯FS勝ちのジャンタルマンタルが早め抜け出しから粘り、後に長い距離のGIを勝つアーバンシックやレガレイラが後方から届かずに終わった昨年のレースはわかりやすくそういう結果になっていた。
まとめると、雨が降らなければスピードが求められる決着、雨が降ればズブズブのタフな競馬と両極端になるので、天気がとにかく重要。
今年からCコースに替わるのが1周遅くなり、Cコース初週での開催となったので昨年までよりも良い馬場で行われる確率は高まったが、結局は天気次第。現時点ではレース当日が怪しい予報だが週中は好天が続きそうで、先週も晴れた土曜日はかなり時計が速かったことを考えると、昨年に続いて時計の出る馬場状態になる可能性が高そう。
メンバー的にはクロワデュノールの1強の構図になっているが、負かした馬が前哨戦を勝ちまくった以上それも当然か。
重箱の隅をつつくとすると、これまではすべてスローペースの競馬で追走力は未知の部分が大きく、昨年のようなハイペースになって追走した時にボロを出す可能性はある。逆に言えば距離は延びたほうが良いという事なので、三冠の中でクロワデュノールが崩れる余地が一番あるのは今回な印象。
ただ、そもそもこの世代の中距離戦でペースが流れたことがほぼないようにハイペースで引っ張れる馬が不在という点と、仮に流れたとしてもまともなマイル経験がある馬もミュージアムマイルとドラゴンブーストくらいしかいないとなると崩れる可能性は低いか。
逆にそれ以下の馬に関しては人気がないであろう馬にも広くチャンスがありそうなメンバーなので、ヒモ荒れは十分あって良さそう。