サンタアニタトロフィー(8月2日 大井 サラ3歳以上 ハンデ 南関東G3 1600m)
かつて「関東盃」の名称で、南関東G1級が勝ってきた(テツノカチドキ、ジョージモナーク、アブクマポーロなど)伝統の一戦だが、交流グレードが整備されるにつれ、レベルは皮肉にトーンダウン。近年はそのときどき、“旬のマイラー”が活躍する、先につながりにくいレースとなった。
過去10年、1番人気[5-1-0-4]、2番人気[2-3-1-4]と悪くない。ただし実際の馬券は中波乱の傾向で、馬単平均配当5,190円(万馬券2度)。高齢馬が意外なほど健闘しており、とりわけ6歳馬5勝、2着2は、単純なデータながら特筆できる。逃げた馬[1-2-2-5]。基本的に先行有利だが、ハナを切って目標になると最後バッタリくるシーンも目立つ。牝馬は[0-0-0-13]。有力どころがトゥインクルレディー賞など自己路線を進むケースが多いにせよ、思いのほか苦戦している。
◎ナイトスクール(52・山田信)
○ボンネビルレコード(56.5・的場文)
▲インターセフォー(54・張田)
△エイシンチャンプ(57・内田博)
△テンセイフジ(54・酒井)
△トウケイファイヤー(56・有年)
△イブキオネスト(56・石崎駿)
コアレスハンター(57・鈴木啓)
トミケンマイルズ(56・戸崎)
冒頭のデータとは相反するが、4歳馬重視、今年に限って“先につながる”一戦と展望した。中でもナイトスクールには、近い将来交流Gマイル路線の主役を荷う素質を感じる。3歳春、ニューイヤーカップ→しらさぎ賞と重賞連破(いずれも1600m)。軽い相手にせよ、ごく自然流の先行策で圧倒的な強さだった。以後、剥離骨折でおよそ1年の休養。しかし今季4月からカムバックして4戦3勝と、再び順調に階段を昇っている。ダーレー2期生、ひとまずシーチャリオットを別格に置くと、そのスピード能力はNo.1。復帰後一連のレースぶりからは、流れ、位置取りなど、いっさい問わない。ハンデ52kgも明らかに恵まれた。
ボンネビルレコードは、昨年黒潮盃→東京記念と連勝し、“鬼脚”のイメージを定着させた。以後もうひとつふっ切れないが、前走帝王賞5着などやはり底力の証明だろう。体質そのものが夏型と判断したい。あとは高速決着への対応がテーマになる。エイシンチャンプは、なるほど朝日杯GIの勝ち馬で、前々走大井記念でダート適性も示したが、レースぶり自体に鋭さが欠け、記者の目には何かインパクトが薄く写る。それなら前走川崎(スパーキングサマーカップ・1人気で8着)を道悪と割り切って、インターセフォーにもう一度賭けてみたい。牝馬テンセイフジは決め手互角ながら脚質的に混戦待ち。前々で攻めるトウケイファイヤー、イブキオネストも、すんなりなら浮上がある。