夢のドリーム競馬も最高潮に盛り上がってきましたね。なかでも僕が注目したのは、中山グランドジャンプ(J・GI、芝外4260m)。「やったぜ! デュエル」と歓喜の声が響いてきました。草野騎手おめでとうございます。8馬身差の快勝で圧巻の一戦でした。最後の障害飛越での「あっ」と思った瞬間の見事な立て直し、手綱さばきに感動です。

▲中山GJを制した草野騎手とエコロデュエル(撮影:下野雄規)
障害騎手にとってのGI競走は、毎年春と秋の2戦しかない狭き門です。19年目にして初のJ・GI制覇は本当にうれしかったことでしょう。僕もレースのたびに「今度こそは今度こそは」と思いながら騎乗していました。そして、僕も初GIタイトルが中山グランドジャンプだったことを思い出しました、何度思い返しても最高の歓喜です。その瞬間を糧に今も頑張れるのだと思います。改めまして、草野騎手をはじめ岩戸厩舎陣営の皆様おめでとうございます。
今年は、高田潤騎手の発案でバックヤードツアーがレース後に実施。ジャンプ競走のファンが増えていることも相まって応募者も多かったそうです。僕もぜひ参加したかったのですが、馬術大会があり参加できず残念でした。
話は変わり、桜花賞週の水曜日に秋山真一郎厩舎へ新規開業のお祝いに行ってきました。途中でお会いした関係者の方に「久しぶりやな」「またうちの厩舎にも来てや」などたくさんの声をかけられて嬉しかったです。秋山厩舎の大仲に着くと、顔なじみのスタッフがいてホッとしました。そして「先生おられますか?」と尋ねると、「今帰ってきたで」と。タイミングよくお会いできてよかったです。

▲秋山師へ開業のお祝いを伝えに行きました
常石 おめでとうございます。お祝いが遅くなって申し訳ないです。
秋山 いやいや! わざわざありがとう。
常石 初勝利もおめでとうございます。「豊さん大好き!」というインタビューが話題になっていますよね。
秋山 あははは(笑)。いやぁ、何でも話題にしてくれてありがたいですね。
常石 豊騎手のことは誰でも好きだと言いますよね。騎手としても人格も素晴らしいですから。特に秋山さんは幼いころからよく知っているから特別ですよね。
秋山 そうそう。だから嬉しかったです。
常石 ところで、厩舎を開業してどうですか? 調教に乗っているんですか?
秋山 いつもと同じやけど忙しいわ。まだ十分できてないからみんなに助けてもらっています。乗らないとわからないこともあるし、騎手だったからやっぱり乗りたいよな。
常石 最後に抱負を聞かせてください。
秋山 人馬無事にいることが一番です。そこから始まると思っています。
常石 そうですよね。活躍楽しみにしています! 最後にもう一つ、秋山厩舎のロゴを見せてください。
秋山 これでいいか?(歩きながら振り返ってくれました)。
常石 ありがとうございます。またお話を伺わせてください!

▲厩舎ロゴを見せてくれました
やっぱりトレセンはワクワクするところやな、スタンドにも話を聞きに行きたいなと思いつつ、乗馬のレッスンの時間に間に合わなくなってしまうので、その後は急いで帰宅しました。
ところで先月のコラムでお話ししたように、僕は御殿場大会の後、30日までワレゲム大会に参加するためベルギーへ渡航します。まずは羽田空港からパリ・シャルルドゴール空港で乗り継ぎ、ドイツのデュッセルドルフへ。そこで大会までレッスンをしてからベルギーへ移動します。パートナーはDUETO号で、ドイツ担当のフランケルさんも一緒で心強いです。今回の大会は、2026年8月に行われる世界選手権ドイツアーヘン大会への最初の一歩となります。強化選手に選んでいただいたチャンスを無駄にしないように気合を入れます。気合いを入れるために、母が用意してくれたギャルソンの目力の強いパーカーを着て出かけました。

▲母が用意してくれたギャルソンのパーカー
本番でも、強化合宿で篠宮寿々海先生に教えていただいた「拳の揺れを無くし馬を安定させること」や、明石乗馬協会で薫先生に指示を受けている桜井亜須歌トレーナーや及川さんの指示をしっかり思い出して乗ってきます。多くの方が僕のために尽力してくれているので頑張ります。

▲強化合宿での篠宮寿々海先生のレッスンの様子
ちなみに、4月19日は高校3年生の始業式でしたが大会参加のために欠席の連絡をすると、高校側が検討してくださって特例で欠席扱いにはならないそうなので助かりました。いよいよ二刀流の始まりです。今年は忙しくなってきました。5月も16日から18日までCPEDI3御殿場大会に参加するので、こちらも合わせて6月のコラムで報告ができると思います。
オカン いつものことながら「忘れ物しないように確認すること」、「コーチの指示は、きちんと聞くこと」、「カバンの中をチェックして、『パスポートは?』、『ユーロ・クレジットカードは?』と確認すること」など約束事が多いので不安に思いつつ見送るが、本人は「行ってきまーす」と振り返ることもなくホームに消えていく。
その後、不安が的中し「おかん、障がい者手帳がない、新横浜から羽田まで切符を買うんやけど」と連絡が。「大切なものは、赤いポーチに入っているからよく探しなさい」と言ったがその後は一切連絡なし。何とかなっているんでしょうね。海外遠征に何度も行っているが、こんなことが毎回起こりながらもいつも無事に帰宅。何を無くしても、命だけは守って帰ってくることにいつも胸をなでおろすオカンです。生きているだけで命丸儲けです。息子よがんばれ!
つねかつこと常石勝義&オカン
(文中敬称略、次回の更新は6/1(木)を予定しています)