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勝ち星分散目立つ園田で苦戦中の小牧太騎手 色々なジョッキー台頭の訳は…まさかの自身!?

  • 2025年05月13日(火) 18時01分
太論

▲“鉄人・小牧太”は5日連続競馬でも「すごく楽」だったそう(撮影:稲葉訓也)


5月4日の高知・黒潮皐月賞から始まった小牧騎手の5日連続競馬。さぞかし消耗したのかと思いきや、さすが鉄人、「すごく楽だった」そうで…。

この期間には重賞も複数あり、高知ではジュゲムーン、園田ではイグナイターと対戦。最近の園田の騎手事情も含め、5日間の戦いのハイライトを振り返ってくれました。

(取材・構成=不破由妃子)

最近の園田は多数のジョッキーが活躍「すごくいい傾向やと思う」


──5月4日の高知から始まった5日間の連続騎乗、本当にお疲れさまでした。

小牧 いつも調教で乗っている馬たちがたくさんレースに使っていたから、そのぶん調教の頭数が少なくてね。3日間くらいは2、3頭やったかな。だから、すごく楽でした。

──とはいえ、レースは5日間で23頭に騎乗。さすがに週末はグッタリだったのでは?

小牧 そうでもないよ。日曜、月曜とシルポートを担当していた(松尾)心くんが栗東から遊びにきてくれてね。僕の園田の部屋に泊まって、久しぶりにゆっくり飲んだわ。おかげでいい時間を過ごせました。レースも楽しみながら乗れたしね。でも、最近は2着ばっかりやなぁ。

──23戦2勝、2着9回。確かに2着が多かった…。

小牧 最近、勝ち鞍が減り出して、2着数のほうが多くなってしまったからね。ちょっと勝ち星を増やしたいところやなぁ。いい馬に乗せてもらっているから、やっぱり1日2勝くらいはせなと思ってるんやけど、巡り合わせというか、たまたま1頭強いのがいるっていうケースが多い。僕自身は、いいリズムで乗れてるんやけどね。あとはなんせね、最近の園田はいろんなジョッキーが勝ち出したから。

──あ、それは見ていて感じます。2、3人に勝ち星が集中するのではなく、いろんなジョッキーが台頭してきている。

小牧 そうやねん。みんなが勝ち出した。変わってきたんやね。すごくいいことだと思う。レースの展開もね、決してワンパターンではなくなってきているから。

──小牧さんの影響が大きいのでは?

小牧 そうなのかなと思っているけど。だとしたら、すごくうれしいことやわ。みんなが努力して、その結果勝ち出したのなら、それが一番いいこと。その代わり、僕の勝ち星が減ってきているとしても、周りが奮起しているのであれば、すごくいい傾向やと思う。

──さて、「たまたま1頭強いのがいる」ということでしたが、リケアマキアートで挑んだ5月4日の黒潮皐月賞は、同厩舎の圧倒的1番人気、ジュゲムーンの2着。

小牧 あれはよう頑張ってくれたと思うよ。よう走ってくれた。ジュゲムーンの後ろでジッとできたのがよかったのかもね。正直、着を拾うのも難しいかな…と思ってたわ。なんせ2月の兵庫ユースCで、僕自身(エイシンハリアー1着)が4コーナーで持ったままかわしていった馬やったから。

──そうでしたね。そのときのリケアマキアートは、6頭立ての6着という結果でした。

小牧 そうそう。今回は負けたとはいえ、強い2着やったよ。ゴール前でかなり伸びたからね。ジュゲムーンはね、もうしょうがない。強いのはわかってた。「また乗りにきて」って言ってもらえたから、機会があればまた行ってきますわ。

──翌日の5月5日には、兵庫大賞典(重賞)がありました。エコロクラージュで挑んで3着という結果でしたが、ここで待ち受けていたのが、一昨年のJBCスプリントの覇者であるイグナイター。そのイグナイターとコンマ2秒差ですから、今後が楽しみになりましたね。

小牧 イグナイターは久々やし、最近はスタートも出ていないしで、本調子じゃないかもしれんなぁと思ってた。逆に僕の馬は調子がよかったから、チャンスがあるんちゃうかと思って勝ちに行ったんやけどね。3〜4コーナーでは「勝つんかな」というほどの手応えやったけど、1400mはちょっと長いのか、最後は止まってしまった。まぁ勝ちに行ったぶんの3着やし、よく頑張りましたわ。

──負けて強しといえる3着でしたね。

小牧 ホンマやね。よう走るわ、あの馬。この前の競馬ができるんやったら、普通の競馬ならハナにも行けるね。

──もう1頭、交流で注目していたのがドンデンガエシ。中央からの転入初戦でしたが、スタートで挟まれてしまって。

小牧 ゲートで潜りかけてね。園田に転入前の数戦は後方からの競馬だったでしょう。スタートから出して行ってないから、馬にゲートを出る気がない。上手いことタイミングが合ったのに、出なかったからね、馬が。で、遅れ気味に出たら、久しぶりにまともに挟まれた。でも、あの馬は走るよ。中団くらいにつけられたら、勝っていたはず。

──最後方から一気にマクって、直線でも伸びていましたからね。

小牧 うん。自分で調教をつけている馬のなかから、また1頭、楽しみな馬が出てきたね。頑張ってもらいたいわ。

──さて、今週からは“そのきんナイター”が始まります。

小牧 そうやね。お客さんもようけきてくれるし、僕、ナイター大好きだから。みなさん、金曜日の夜はぜひ園田競馬場に遊びにきてください。待ってます!

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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