
▲佑介騎手が競走馬輸送のパイオニアを直撃(c)netkeiba
今回の『with佑』は番外編。佑介騎手が競走馬輸送のパイオニアである鷹野運送株式会社の代表取締役・鷹野衛さんのもとを訪ねました。
設立から66年、今では年間のべ約2万頭の競走馬の運送を担う鷹野運送。安全かつ正確に競走馬を運び、競馬開催に欠かせない重要な役割を担っています。そんな馬運車業界ですが、佑介騎手でも知らなかったことも多いようで…。そんな“縁の下の力持ち”たちの知られざる仕事に迫ります。「少し変わっている」という契約の形とは一体。
(取材・構成=不破由妃子)
「運ぶ」だけでなく「作る」
佑介 今回は『with佑』番外編として、僕が単独で鷹野運送さんにお邪魔しています。読者のみなさんのなかには、輸送事情や馬運車に興味を持っている方もいると思いますし、大人の社会科見学みたいな感じで楽しんでいただければと思っています。鷹野社長、よろしくお願いします。
鷹野 こちらこそ、よろしくお願いします。年に1回くらいのペースで取材を受ける機会はありますが、ジョッキーの方に直接取材を受けるのは初めてなので、私も楽しみにしていました。
佑介 いろいろ勉強してきました(笑)。鷹野運送さんといえば、1959年に設立された競走馬輸送のパイオニアであり、スペシャリスト集団。輸送の難しさやこだわり、ドライバーさんに求められる技術、さらに物流の2024年問題の影響など、いろいろ伺っていきたいのですが、まずは鷹野運送さんの現状について教えていただけますか?
鷹野 7年前に同業者の竹内運送とM&Aをしまして、一昨年の1月にこの新社屋と整備工場が完成し、すべてをここに集約しました。
佑介 初めてきたのですが、広大な敷地に馬運車がズラッと並んでいる景色は壮観です。

▲ズラリと並んだ馬運車(c)netkeiba
鷹野 約4年を掛けて土地を拡大してきましたからね。その最中には新型コロナやロシアによるウクライナ侵略などがあって、馬運車の製造部品や材料がなかなか調達できず、思うように車両の更新ができない時期が長くありました。
そこで考えたのが、ちょうど整備工場を新設していることだし、