こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、東京競馬場で行われる日本ダービー(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
天候不順の影響で極端な傾向に
2回東京開催はここまで芝ダートともに良馬場になったのが先週土曜だけと、ほとんどの日で雨の影響を受けている。日本ダービーが最後に良馬場以外での開催となったのは2011年と、そこまで雨が多く降るような時期ではないので今年は異例。
今開催の東京芝重賞は追い込み馬の好走がやたらと多く、青葉賞は13頭立てで4コーナー12番手通過のエネルジコが差し切り。その後も1400mでレコード決着となった京王杯SC以外はすべてのレースで4コーナー最後方付近の馬が馬券に絡んでいる。いくら直線長い東京と言えど、ここまで極端な傾向になっているのは天候不順の影響もありそう。
今週末の天気予報は現状不透明だが、少なくとも気持ち良く晴天とはならなさそうな気配。日本ダービーも良馬場にならない可能性は十分ありそうで、これまでに雨の影響を受けていることを考えても例年よりは高速度の落ちる馬場での開催となりそう。
路線的には世代トップが揃う皐月賞がやはり強く、過去10年で皐月賞5着以内且つそれがフロック視された単勝50倍以上を除くと[6-8-5-21]で複勝率47.5%、複勝回収率98%と優秀。そしてその数字を押し上げているのはステラヴェローチェ(21年9人3着)、アスクビクターモア(22年7人3着)、タスティエーラ(23年4人1着)、シンエンペラー(24年7人3着)などいかにも『キレない』イメージの分で人気を落としていた馬たち。
昨年の当コラムでも、いわゆる『東京っぽくない馬』が不当に人気を落とし過ぎであると指摘してシンエンペラーの巻き返しが十分あると書いていたが、2019年辺りまでの高速で内前が残りやすい馬場のイメージが強いのか、そもそも3歳馬にとって東京2400m自体がタフな条件であるという認識が薄いのではないかと感じる。
今年は逃げ馬が不在で前半からペースが流れるということはなさそうなメンバー構成だが、捲りが身上のファウストラーゼンがいるので直線までレースが動かないような展開にはならず、上位に入るには終盤でロングスパートが求められても耐えられる力が必須だろう。
今年は皐月賞がCコース開催になり、かなりの高速馬場で皐月賞レコードでの決着となった。おそらく来年以降もCコース開催が続いて、昨年までよりも馬場が良い状態で行われやすくなるだろう。そうなると高速巡行でマイル質の能力が必要となる皐月賞と、2400mで5Fのロングスパートが必要な日本ダービーでは求められる能力の方向性は割と異なってくる。
もちろん絶対能力の高さで両方こなしてくるジャスティンミラノのような馬は毎年のように出てくるだろうが、馬券的にはそこでの出し入れが大事になってきそう。
今年は6〜9着馬が出走しないこともあって皐月賞組だと上位5頭が抜けた人気になりそうで、条件替わりのみにフォーカスするとクロワデュノール・マスカレードボール・ジョバンニはプラス、一方ミュージアムマイルとサトノシャイニングはプラスにはならないような印象。
とはいえそれが織り込まれていては意味がないので結局はオッズとの相談にはなるが、先に挙げた3頭は今回パフォーマンスを上げてくる可能性が高いとみている。