
▲思い出の一頭の産駒と重賞に挑む松岡正海騎手(撮影:下野雄規)
29日、福島競馬場で行われるラジオNIKKEI賞。3歳馬たちの秋を占う重要な一戦にウインブライト産駒・フクノブルーレイクと松岡正海騎手が挑みます。
デビューから7戦全てで手綱を執る松岡騎手。同馬の父は、コンビで香港G1・2勝を挙げたウインブライトですが、両方の背中を知る松岡騎手にそれぞれの特徴を尋ねると、意外にも「全く似てない」と評します。
自身にとって「騎手人生そのもの」というウインブライトとの思い出を振り返っていただきながら、「課題をクリアし、成長してきた」という仔・フクノブルーレイクとのレースへの気込みを伺いました。松岡騎手が想い描く“ブルーレイクとの未来”とは──。
(取材・構成=和久時秋)
「手応えがあった」が…追加登録で挑んだ皐月賞
──前走の皐月賞を改めて振り返ってください。
松岡 最初のコーナーで不利があって、正直あれで終わってしまった。馬の調子も良かったし、メンバーの真ん中くらいの着順には来てくれるのかなと思って期待して臨んだのですが。実力を出し切れなかったのが悔しいですね。馬が大レースの経験を積めたという点は良かったのかなとは思いますけど。
──皐月賞にはクラシック追加登録をしての挑戦でした。
松岡 それはもちろん、けっこうやれるんじゃないかという手応えもあったので。

▲「手応えがあった」という皐月賞(ユーザー提供:レイナルドさん)
──皐月賞後はダービートライアルという選択肢はなかったのですか。
松岡 皐月賞で掲示板以内とかならダービーに行こうという話はあったのですが、それ以外だったらダービーは諦めようという方針だったと思います。それでよかったと思いますよ。馬もまだ子どもっぽいですし、3歳のこの時期に府中の2400mは過酷なので。故障のリスクもありますからね。
──初めて騎乗依頼を受けた時の気持ちはどうでしたか?
松岡 オーナーにはとてもお世話になっていて、自分がデビューしたばかりの若い頃から、ハロースピード(07年クイーンC3着、08年福島牝馬S2着など)にも乗せてもらっていました。だから“ウインブライトの子に乗れるうれしさ”というよりは、またオーナーに頼んでいただけたんだというありがたさがありました。

▲「オーナーに頼んでいただけたありがたさがあった」(撮影:下野雄規)
──初めてフクノブルーレイクに乗った時の印象は?