
▲ヤマニンアルリフラを管理する斉藤崇史調教師に話を伺いました(撮影:下野雄規)
JRAで生き残るには、基本的に9月1週目までに初勝利を挙げなければいけません。しかし、未勝利戦を勝てないながらも高い期待を寄せられてJRAで戦い続け、“飛び飛び級”の2勝クラスで初勝利を挙げた馬が、ついに重賞初挑戦を迎えます。その名はヤマニンアルリフラ、4歳牡馬。半兄に580kg超えの重賞馬ヤマニンウルスを持つ牡馬は、3歳時こそエリート路線に乗れませんでしたが、めきめきと成長しています。
管理するのは、今年の日本ダービーをクロワデュノールで制した斉藤崇史調教師。「もっと上の舞台で」と期待を寄せ、芝1200mにこだわって北九州記念に臨みます。
(取材・構成=大恵陽子)
オーナーに「もう少し中央で…」談判が実った初勝利
──昨年1月、3歳でデビューしたヤマニンアルリフラ。何度も2着、3着があるように、未勝利戦であと一歩のレースを続けていました。
斉藤 あの頃はまだ幼さもありました。ただ、このきょうだいなので、能力もスピードもあるとずっと感じていました。きょうだいはみんな走っているんですよね。
──半兄ヤマニンウルスは昨年のプロキオンSを勝ち、半兄ヤマニンサンパもオープン馬、半姉ヤマニンアンフィルも3勝を挙げています。

▲ヤマニンアルリフラの兄ヤマニンウルス(c)netkeiba
斉藤 ヤマニンウルスだけが580kg超えで大きいですが、きょうだいはスピードがある点は似ていると思います。